不動産トピックス

過熱する投資市場の現場から

2007.08.13 16:38

クリード・オフィス投資法人 渋谷区中心地の商業施設と溜池山王駅至近の開発物件 都心5区での資産拡充バランスよく進める
 クリード・オフィス投資法人(東京都千代田区)は、「フィエスタ渋谷」「COI赤坂溜池ビル」の取得を決定した。
 前者の売主は非公開、後者は日建からの取得である。取得価格はそれぞれ31億5500万円、9億8130万2870円だ。
「フィエスタ渋谷」は、渋谷区宇多川町のJR各線・東京メトロ各線「渋谷」駅より徒歩6分の距離に立地する昭和54年竣工の商業ビル。地上9階地下1階建て、延床面積1399・74㎡の規模だ。
 通称「オルガン坂」に面しており、周囲はパルコや東急ハンズなどの大型商業ビルが建ち並び、昼夜休日を問わず人通りが多い。現在のエンドテナント数は11。取得後に外壁やエントランスなどの改装工事が予定されている。
 「COI赤坂溜池ビル」は、港区赤坂において今年9月の竣工を目指し建設中のオフィスビルだ。東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王」駅より徒歩1分の距離で、地上5階地下1階、延床面積652・06㎡の規模となる。外壁にはカーテンウォールを採用し、基準階の天井高2500㎜、OAフロア50㎜が実装される。
 周囲の大規模オフィスビルに入居する企業に関連した、中小企業の派生需要が見こめるとしている。
 今年11月末の取得時より、売主と低層階部分について1年間の定期賃貸借契約を締結する予定だ。

阪急リート投資法人/グローバル・ワン投資法人 J-REIT初の投資法人間大型売買 持分譲渡により共同保有スキームを実現
 阪急リート投資法人(大阪市北区)は、「スフィアタワー天王洲」の一部を取得する。売主はグローバル・ワン投資法人(東京都千代田区)で、取得価格は94億500万円だ。引渡し予定は今年10月2日。同取引は、日本初のREIT間での相対売買である。
 物件は、品川区東品川の東京モノレール「天王洲アイル」駅直結のオフィスビル。平成5年竣工で、地上27階地下2階建て、敷地面積6106・11㎡、延床面積4万3477・68㎡の規模である。現在のテナント数は24社、稼働率は97・7%だ。同社が取得するのは準共有持分33%である。
 交通利便性の高い立地条件や、基準階面積327坪というオフィスビルとしての希少性を評価した。今回の取得で、同社のポートフォリオは11%増の1016億円となった。売主のグローバル・ワン投資法人は持分67%を引き続き保有し、共同運用を行う。売却益と簿価との差額は約38億円であった。グローバル・ワン投資法人は売却理由を、時価と簿価との差額を分配金として投資家に一部還元するためとしている。物件譲渡によりポートフォリオの相対的品質を下げないため、同物件を持分譲渡することとなった。売却先の選定については、長期保有前提の共同保有パートナーとしての適格性が重視された。
 この譲渡が反映される同社の平成20年3月期の1口当たり分配金は、5万5400円となる見通しだ。

日本ロジスティックスファンド投資法人 投資口追加発行、約220億円で物流施設4棟を取得
 日本ロジスティックスファンド投資法人(東京都千代田区)は、投資口の追加発行を行う。発行口数は1万3500口、オーバーアロットメントによる売出し500口。発行後の総投資口数は、最大12・8%増の12万2800口となる見通しだ。
 また物流施設4棟「横浜福浦物流センター」「八千代物流センター」「加古川物流センター」「埼玉騎西物流センター」を取得する。取得価格は計221億3300万円だ。
 「横浜福浦物流センター」は98億円でKRF3より取得したもので、横浜市金沢区の金沢産業団地内に立地している。平成19年竣工、地上6階建て、延床面積3万6170・20㎡の規模で、佐川急便が拠点を集約し集配施設として使用している個別性の高い1階部分と、分割賃貸が可能で汎用性のある上層階部分とを組み合わせたマルチ型物流施設だ。高速道路へのアクセスも良好である。
 今回の取得により、ポートフォリオは取得価格ベースで30%増の921億円となる。
 投資口追加発行と物件取得は平成20年1月期に反映され、1口当たりの分配金は1万3300円となる。

野村不動産レジデンシャル投資法人 目黒区の大型マンションを取得
 野村不動産レジデンシャル投資法人(東京都新宿区)は、「(仮称)プライムアーバン目黒大橋ヒルズ」を取得する。売主はリーテック、取得価格は35億8000万円だ。
 同物件は平成20年2月の竣工を予定している大型マンションで、目黒区大橋に立地しており、東急田園都市線「池尻大橋」駅より徒歩6分の距離だ。建物の引渡しは、竣工後の平成20年3月に行われる。
 延床面積3964・54㎡、地上10階建ての規模で、30㎡未満から70㎡以上まで、1Kからルーフバルコニー付2LDKまで様々な間取りの合計99戸を備える。
 高台の一画という落ち着きある立地に加え、渋谷・代官山エリアまで徒歩圏内であることや、豊富な住戸プラン、細部にこだわった内部仕様などの条件は、近隣のテナント層が求める水準を満たすと評価した。
 デザイン性の高い外観も希少性は高く、都市型の生活利便性とエリアのブランドイメージを重視する単身者やDINKSの需要が高いと見ている。

アドバンス・レジデンス投資法人 地方のレジデンス2棟を取得
 アドバンス・レジデンス投資法人(東京都千代田区)は、「グランドコート亀山」「デュオステーション東松戸番館」を取得した。「グランドコート亀山」は森屋グランドコートから16億1000万円での取得である。
 同物件は、三重県亀山市のJR関西本線「亀山」駅より徒歩12分の距離に建つ、平成19年竣工の共同住宅。地上10階建て、延床面積6567・93㎡の規模で、30㎡超の1Kを180戸と店舗2区画を備える。
 同投資法人は物件の立地につき、近年液晶関連企業の集積が進んでいることを評価しており、大手家電メーカーの亀山工場を中心とする工業団地内に進出している企業の従業員向け社宅としてのニーズが見込まれるとしている。
 「デュオステーション東松戸Ⅱ番館」はフージャースコーポレーションから11億円での取得。JR武蔵野線・北総線「東松戸」駅より徒歩4分の距離に建つ、地上7階建て、延床面積3570・66㎡の規模の共同住宅だ。総戸数44戸で、3LDKと4LDKから成る。周辺エリアは土地区画整理事業も進んでおり、同投資法人は法人や都市企業勤務者の需要を見込んでいる。

リサ・パートナーズ 九州エリア特化型の企業価値向上ファンド
 リサ・パートナーズ(東京都港区)は、九州地区に特化した企業価値向上ファンド「九州コーポレート・ソリューション・ファンド」を組成することで、西日本シティ銀行と合意したと発表した。
 同ファンドは、同日付で開示された西日本シティ銀行との戦略的業務提携の一環で、規模総額は30億円。ソリューション機能を総合的に提供して価値向上を図ることを目的とし、国内企業のエクイティおよび債務を投資対象とする。業務執行は、同社の子会社魁インベストメンツが行う。
 同社はファンドの特色を、投資先の企業が保有する不動産のワークアウトや価値向上に実行力を有する点とする。

ファンドクリエーション 渋谷区神宮前に商業施設を開発 物販テナントビルとして平成21年初旬に竣工予定
 ファンドクリエーション(東京都港区)は、連結孫会社カネル・プロパティーを通じ、先月20付で渋谷区の土地を取得した。
 所在地は渋谷区神宮前六丁目で、敷地面積は1473・29㎡。現在は更地の状態だ。
 同社は商業施設の開発を計画している。平成21年初旬に竣工し、物販店舗にテナント賃貸する予定だ。表参道から明治通りに抜ける通称「キャットストリート」に面した当該地は、多数の有名ショップに囲まれており、十分な集客が見込めるとしている。
 用地の取得費用および建物の建設費用については、カネル・プロパティーズがノンリコースローンなどにより調達した。当該事業に関わる新たなファイナンスは予定していない。

ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン 不二家運営の「銀二ビル」を93億3400万円で取得
 ゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパン(東京都港区)を株主とする恵泉開発(東京都港区)は、中央区銀座二丁目の「銀二ビル」の取得を決定した。
 同ビルは、経営再建中の不二家がテナント賃貸を行っていたもの。帳簿価格1400万円に対し、譲渡予定額は93億3400万円である。
 不二家は再建計画として固定資産の整理を進めており、今年3月には銀座七丁目の本社ビルを、135億5000万円で米シティグループのファンドに売却している。

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