不動産トピックス

過熱する投資市場の現場

2007.07.23 16:21

野村不動産レジデンシャル投資法人 若手向け共同住宅を中心にした戦略継続 都心への交通アクセス良好高級住宅街で住環境も静か
 野村不動産レジデンシャル投資法人(東京都新宿区)は、7月17日「(仮称)プライムアーバン田園調布南」を取得すると発表した。この物件は共同住宅であり、単身者やディンクスがターゲットになる。売主はリーテック(東京都千代田区)で取得予定日は来年3月21日とされた。
 今回の取得理由としては、東急多摩川線「沼部」駅から徒歩4分、東急東横線「多摩川」駅から徒歩14分の立地条件が挙げられている。「多摩川」駅からであれば、「渋谷」駅まで14分、「横浜」駅まで16分でアクセスが可能だ。
 このような交通アクセスのよさを持ちながら、周囲は田園調布の高級住宅街で静かな住環境となっており、これらの立地条件が、ターゲット層の需要を満たすと考えられたようだ。
 竣工は来年2月の予定で、敷地面積は581・65㎡、延床面積は1535・45㎡、地上5階建ての鉄筋コンクリート造である。賃貸可能戸数は44戸、そのうち30㎡未満の部屋が39戸で30㎡以上50㎡未満が5戸用意される。
 取得金額は9億円、想定NOIは4574万円を見込む。同投資法人は一般企業に勤める20〜30代、もしくは学生などからの需要が高い共同住宅を、ポートフォリオのメインとして組み込んでいる。
 今回の取得により、ポートフォリオは東京圏が84件、札幌や名古屋、横浜など「その他の地域」が19件となり、合計103物件となった。

<駅至近物件取得>ジョイント・リート投資法人 完成イメージ学生の需要底堅いワンルーム賃貸マンション単身者をターゲットにし利便性よいエリアを狙う
 ジョイント・リート投資法人(東京都目黒区)は7月19日付けで「フィットエル板橋本町」と「フィットエル大泉学園」の信託受益件を取得すると発表した。
 フィットエル板橋本町の取得価格は10億円で、フィットエル大泉学園は8億7100万円。取得先は2件ともエルカクエイ(東京都新宿区)だ。フィットエル板橋本町の所在地は東京都板橋区大和町14‐14。
 取得理由として、都営三田線「板橋本町」駅から約10mと非常に近く、また周囲は事業用ビルや商業用ビル、共同住宅が混在しており、生活利便性が高いことが挙げられている。静かな住宅環境を重視することが多いファミリー層はターゲットにせず、通勤通学などの利便性を重視する、学生やビジネスパーソンを対象とするため、ワンルームの住居構成となっている。
 竣工は今年2月で、敷地面積は220・85㎡、延床面積は1446・78㎡。RC造の地上12階建てだ。住居戸数は60戸で、これとは別に診療所が1件入居している。
想定NOIは4940万3000円で、最終還元利回りを5%と見込む。
 外観は1階部分が黒を基調としたデザインでまとめられており、2階より上は茶色のタイル貼りで構成されている。
 フィットエル大泉学園の所在地は東京都練馬区東大泉2-12-15。西武池袋線「大泉学園」駅から徒歩13分の位置に立地しており、周囲は戸建住宅が多く、共同住宅も低層の物件が多い。静かな住宅環境でありながら、大型商業施設の「リヴィンオズ大泉」や東映東京撮影所内の「オズシティ」なども近くにあり、利便性もよい。
 取得理由としては、これら利便性と静かな住宅環境のバランスのよさが評価された。ワンルームタイプの賃貸マンションだが、単身のビジネスパーソンや学生からの需要が見込まれている。
 外観は紺と白のツートンカラーでまとめられており、落ち着いた雰囲気をかもし出している。敷地面積は618㎡、延床面積は1542・16㎡で、RC造の地上6階建て、賃貸戸数は55戸だ。想定NOIは4414万9000円とし、最終還元利回りは5・1%を見込む。

ユナイテッド・アーバン投資法人 札幌中心部の10km圏内賃貸需要は底堅いと判断 札幌市で駅至近の新築共同住宅2棟を取得
 ユナイテッド・アーバン投資法人(東京都港区)は、6月28日付けで「UURコート札幌篠路壱番館・弐番館」を取得すると発表した。
 壱番館は来年10月竣工予定であり、取得は同年11月を予定、取得金額は8億7000万円。弐番館は平成21年6月竣工予定で取得予定日は同年7月、取得金額は8億5000万円である。
 この2物件は、民間の市街地再開発事業である「JR篠路駅西第2地区第一種市街地再開発事業」によって建設される。したがって取得の理由としても、最寄の「篠路」駅からは徒歩1分と至近で、札幌市中心部の10km圏内であり、安定した賃貸需要が評価された。
 壱番館の敷地面積は3340・48㎡、延床面積は6271・23㎡である。また、弐番館は敷地面積3065・72㎡、延床面積は6265・67㎡で、2件とも地上10階建ての鉄筋コンクリート造であることは共通している。
 取得先はアルファコート(札幌市中央区)取得後のプロパティ・マネジメント委託先として北海道ベニーエステートを予定している。

<投資会社新戦略>ビ・ライフ投資法人 駅に近い低層マンションの譲渡決定 譲渡価格は4億8000万円
 ビ・ライフ投資法人(東京都渋谷区)は、7月25日を予定日として、東急リバブルが90%を出資しているリバブルアセットマネジメント(東京都渋谷区)に「エルソル貴船坂」の信託受益権を譲渡する。
 予定譲渡価格は4億8000万円で、帳簿価格の4億6770万5364円との差額は1229万4636円となる。ただし帳簿価格は今年5月31日のもので、新日本監査法人による監査は未了とのことだ。
 「エルソル貴船坂」の所在地は東京都大田区南馬込6-29-9、用途地域として第1種中高層住居専用地域に指定されている。用途は共同住宅、駐車場、倉庫となっており、住居は12戸だがサブリースが一括賃貸借契約していた。
 建物の敷地面積は649・21㎡、延床面積は1147・82㎡である。竣工は平成6年3月25日で、地上3階地下1階、コンクリートの打ち放し部分と、茶色のタイルで外観は構成されている。都営地下鉄浅草線「西馬込」駅徒歩6分という立地条件もあり、間取りは都市型生活を望むファミリーやディンクスにも対応できるようになっている。
 なお、譲渡理由はポートフォリオの入替えによる中長期的な運用効率向上とされている。

プロスペクト・レジデンシャル投資法人 稼働率が98%の共同住宅を譲渡 ポートフォリオの構成検討時期・価格共に妥当と判断
 プロスペクト・レジデンシャル投資法人(東京都千代田区)は、7月19日、所有していた「ガーデンシティ北戸田」(平成17年7月12日取得)を譲渡すると発表した。引渡し予定日は8月31日である。
 譲渡先は中央住宅(埼玉県越谷市)で、譲渡価格は8億1110万円、帳簿価格である7億3238万2124円との差額は7871万7876円になる。
 平成5年6月に竣工された「ガーデンシティ北戸田」は埼玉県戸田市笹目4-40-1に所在し、ファミリー向けの共同住宅である。
 建物の規模としては敷地面積が2382㎡、延床面積は4438・27㎡であり、RC造の5階建て、賃貸可能戸数は49戸だ。
 所在する戸田市の笹目は大宮バイパスが通り、周囲は第1種中高層住居専用地域に指定されている。住宅の需要は堅調であり、この物件においても稼働率は98%に達していた。
 譲渡を決定した理由として「ポートフォリオ全体の構成を検討した結果、譲渡時期、譲渡価格ともに妥当であると判断し、中長期的なポートフォリオの充実と運用の効率化を推進するため」であるとしている。

ニューシティレジデンス投資法人 大阪中心部へのアクセス容易な高品位マンション 生活環境よくファミリー層の需要底堅いと見込む
 ニューシティ・レジデンス投資法人(東京都港区)は、今年1月に大阪市中央区にて竣工された「シティハウス・リビオ上町台」を取得すると発表した。
 取得後は物件の名称を変更し「ニューシティレジデンス上町台」とする予定だ。
 取得予定価格は32億1400万円で、売主は日本マスタートラスト信託銀行(東京都新宿区)と新日鉄都市開発(東京都中央区)の2社。
 物件の規模は敷地面積が1154・91㎡、延床面積が6446・82㎡で、地上15階地下1階、賃貸可能戸数は69戸、総賃貸可能面積は5415・39㎡となっている。
 所在地は大阪市中央区上本町西4112で、近鉄奈良線「上本町」駅から徒歩8分の立地だ。他にも大阪市営地下鉄「谷町六丁目」駅や「谷町九丁目」駅も徒歩圏内で、大阪市の中心部へのアクセスが良好である。
 取得の理由として、この物件は都会の利便性を享受できる上、周囲に多くの寺社や公園があり、都市型生活を望むファミリー層の需要の見込みが底堅いことを評価しているという。加えて内外装や諸設備が高品質であり、中長期的な競争力を維持できるとしている。
 取得後の想定NOIは1億7208万5000円とされており、直接還元利回りは5・1%が見込んでいる。

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