不動産トピックス

クローズアップ 屋外広告編

2007.01.22 16:33

 屋外広告やサイン看板のバリエーションも最近では随分と増えてきた。それらをビルに導入することは、広告収入や、テナントの売り上げ増、ひいてはビルの活性化に繋がっていく。ビルの屋上や外壁などのスペースの有効活用を手助けしてくれる三つの企業に注目してみた。

ピーエーアール ビル屋上・外壁を有効活用 高収益をもたらす屋外広告を提案 デッドスペースを有効活用する
 ピーエーアール(東京都渋谷区)はビルの屋外広告媒体の開発を企画立案するサービスを行なっている。
同社は、ビルの屋上や壁面などにあるデッドスペースを借り上げ、ビルオーナーに収益がでるように広告媒体の設置を提案し、広告主の案内や仲介を行っている。ビルオーナー、及び土地所有者の希望に沿う形で、屋外広告のプランを立て、媒体の設置・施工から、広告クライアントの選定、広告物設置後のアフターケアまでの全てを請け負う。LED、ネオン、ポスターなどそれぞれの媒体を、オーナーの求める収入やデザインなどに照らし合わせて提案する。
 「昨年度あたりから、東京都の条例である屋外広告届出制が厳格化されており、各申請書提出の他、道路占拠許可などの屋外広告に必要となる手続きが複雑になっています。しかし、当社は責任をもってその全てを代行します。昨今、コンプライアンスの問題は重要です。広告が屋外広告条例に適合しているかどうかということは、売買や譲渡の盛んな、ファンドのビルなどでは特に重要となってくることでしょう。」(第1営業開発部マネージャー田口誠氏)
 同社の特徴は、媒体の開発をするまでのスピードにある。物件にもよるが、10日から2週間という短い期間で設置工事は完了するとのことである。媒体スペースを設置することに関して料金が発生することはない。
 「屋外広告からの収益は、立地条件によってはかなりの額に上るものもあります。ビルの規模ではなく、あくまで場所によるものなので、中小ビルであっても大きな広告収入を得ることが可能です」(同氏)
なお、広告料金の査定や相談、ビルの電気代のランニングコストを下げるための相談なども受けつけ、その他、ビル内の袖看板・テナント看板・内装を改修なども行っている。

エッグランド 人々の動きに反応する体験型メディア 施設・店舗の注目度と集客効果を向上
 エッグランド(東京都品川区)は、人の動きに反応する体感型の媒体を作り出す特殊照明システム「InterAD」を販売する。
 同製品は、企業ロゴ、商品写真、イメージ写真などをプロジェクター装置にjpeg形式でプログラムし、床や壁に照射する装置である。プロジェクターに設定を施すことで、人が触れたり、踏んだりすると画像が動きに反応する特殊な映像媒体を作成できる。数種類の動画を再生するための画面と番号を投影して、ユーザーが番号を選択して映像を見せるなどの仕掛けが可能だ。
 また、投影面に複数の画像を表示させ、足で踏むと、裏、表の画像が入れ替わるといったような表現を作成することもできる。表に商品写真、裏にスペックなどを入れ、一足違った動く商品カタログが完成する。
人気の高いプログラムの一つに「水面演出」のプログラムがある。水面の画像を投影した部分に足を踏み入れると、センサーが感知した場所に、波紋が広がり、同時に魚が逃げていくような映像を投影する。MIDIファイル形式で音声設定を施すことも可能であり、魚の動きに合わせて水の音を連動して流すこともできる。
 「商業施設の入り口ファサードや、大規模商業施設の客導線などに、遊び感覚を取り入れたサインとして導入することで、施設や店舗の注目度を高めることができます。集客効果も期待できるでしょう。光と色彩が人の心身に及ぼす影響の大きさに着目し、施設に集客したい客層や顧客を誘導するための心理的な伏線になれるよう、研究して照明プランを創っております」(同社代表取締役高野秀之氏)
 コマーシャル表現が多様化する中で、視覚的情報以上のものを提供する方法が注目を集めている。

アビックス 配信動画広告をダウンロード 映像広告看板を収益物件に   LEDの表示板の販売や映像コンテンツのサービスを手掛けるアビックス(横浜市西区)は、映像看板のネットワーク化事業の一環として、インターネット広告を扱うオプト(横浜市西区)と共同する形で、動画広告の配信サービスを提供している。
 同サービスの特徴は、アフィリエイト方式を採用していることだ。映像看板のオーナーが、広告の選択権を持ち、広告料を広告主から受け取る仕組みになっている。
 オーナーは同社運営サイト「D―load」にアップされている動画広告をチェックしたうえで好きな広告をダウンロードし、時間帯と回数を自ら設定して放映する。広告主からの放映料金は、同社が通過人数などの現地調査をした上で決定した料金を放映時間に応じて徴収する。
 映像看板を収益物件として考えたサービスであり、自社広告を放映することのみに利用していたモニターに、選択した広告を流すことで、広告収入を得ることが可能になるというわけだ。さらに、不動産のイメージアップを図ることも可能である。
 既に映像モニターを設置しているビルだけではなく、新たに映像モニターを設置する場合の費用は、標準的な30㎜のLED仕様で、100万円を切る程度、従来製品と比べると3分の1程度の価格だ。5年から10年の耐久性があり、電気料金は、30㎜のLEDを10㎡使用して24時間放映した場合1ヶ月2万円〜3万円である。
 同社のLED表示装置は、残像効果を活かしてLED球の数を減らしているため、バックパネル等の周辺機器を含め1㎡あたり40㎏程度と軽くて設置が容易なのが特徴である。ガラス重量とほぼ変わりないため、ガラス外壁へのはめ込みも可能である。また、動画の作成も3万円〜30万円程度で行なっている。

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