不動産トピックス

クローズアップ タイル剥落対策編

2006.10.09 10:13

東邦建材 金具とエポキシでタイルを固定 外壁タイルの浮き・剥落を防止
 東邦建材(東京都中央区)は、浮きタイルを躯体に固定する補強工法「タイルフィックス」を開発した。
 同工法は、タイルフィックス金具という特殊アンカーの金具を目地に埋めタイルを下地躯体に直接固定し、エポキシ樹脂を流し込むことで外壁タイルの浮き部を補強する工法だ。
 「エポキシ注入工法」では、浮き部の範囲が小さい場合にしか適用できず、またタイルの撤去の必要性があり、美観性を失いさらにコストも多くかかるという問題があった。また、「アンカー固定工法」では、タイルに直接穿孔固定するため、補修跡が目立ち、タイル1枚に付きアンカー1固定であるため、タイル1枚当たりの補修費用が高くなるという。
 同社が開発した工法は、そういった問題を解決し、低コストでの施工を可能にしたものであるとのこと。
 タイルフィックス金具1個で最大4枚のタイルを同時に固定し、目地に穴を開けて埋め込むため補修跡が全く目立たないという。
 「タイルというものは同じ時期に同じ職人が同じ材料を使っています。タイルが1枚浮くということは、全部が浮くという可能性が考えられます。予算がないから調査をして浮いているところだけを直すという人が多いですが、それは非常に危険だと考えています」(代表取締役 野口博司氏)
 高い調査費を払って外壁診断を行うより、全部を補修してしまったほうが将来的にも安心で、コストも安くて済むとのこと。
 なお、工事価格はタイルフィックス金具1本当たり850円~1050円である。

イー・プランナー 施工時の美観を末永く維持 穿孔部を化粧キャップで目立たせず
 イー・プランナー(東京都北区)は、外壁仕上材落下防止工法「MUS工法」を提案している企業だ。学校・病院・オフィスビル等で10年以上に渡って幅広く利用されているという。
 同工法は、まず、打診ハンマーにより外壁面の浮きを調査し、無振動・低騒音ドリル(ミストドリル)を用いてタイル面に穿孔(一段堀り)する。ドリルの先端は人工ダイヤモンドで出来ており、切削効果は抜群。タイルを破損せずに穿孔できる。
 次に、一段堀りされたタイル面に、座堀り穿孔を施す。そして、二回の穿孔後に特殊内視鏡カメラ(ミニ・ボアスコープ)を用い、内部を調査、浮き部の確認と躯体までの深さを同時に把握し、アンカーの長さを確定する。
 確定したアンカーは、穿孔した穴に挿入し、専用打込棒を用いて、アンカーを固定する。アンカーを固定した後、注入口よりエポキシ樹脂を圧入し、最後に自社特許商品の化粧キャップで蓋をして、周りの色と同化させるというものである。
 「タイルを破壊せずに外壁の補修が可能です。化粧キャップは全てのタイルに合わせて補修ができますので、美観を損ないません」(代表取締役 榎本修氏)
 傷跡を目立たなくさせるため変化が分からないのが特徴とのこと。
 設計価格は、アンカー1本に付き2000円~である。

日本樹脂施工協同組合 タイル張り外壁を面で補強 防水性・遮断性を発揮
 日本樹脂施工共同組合(東京都台東区)は、外壁タイル剥落防止工法「JK-セライダー工法」を開発した。
 同工法は、短繊維を混入した特殊アクリル樹脂「JK-セライダー」と特殊アンカーピンで、タイル張り外壁を面で補強する工法である。透明であり、タイル張り外壁の意匠性を損なわないとのこと。
 阪神・淡路大震災クラスの振動に耐えるばかりでなく、JK-セライダーの皮膜は、長期間、優れた防水性を発揮、さらに、外壁からの雨水の侵入を防止する。安定した強靭な皮膜を形成し、塩害・凍害・白華なども同時に防ぐという。
 皮膜は、遮断性に富んでおり、大気中の炭酸ガスなどの侵入もシャットアウトし、建物の長寿命化に貢献するという。
 「一般的にタイルは、平均して13・6年で剥落や浮きが起こるといわれています。劣化や浮きを放置したために剥落し、人や物に当たる事故が多発しており、大変危険です。当組合の工法はその様な剥落に対して積極的に対策を講じていきたいと思います。

菊水化学工業 外壁を天然石風に刷新 安全性・耐久性を向上 建物の長寿命化を実現
 菊水化学工業(名古屋市中区)は、内装壁仕上げ用シート状天然砕石装飾材を利用した「モダンアート工法」を利用して、剥落対策を行っている。
 乾式の内外壁仕上材であるモダンアートは、同社が開発した、フレキシブルなシート状仕上材料を特殊な工法にて施工し、優れた意匠性・美観性を有した張り工法用乾式建材の総称である。天然石材でなければ実現不可能であった深み・高い格調・シックな雰囲気を天然石材以上の機能・メリットを備えて実現している。
 高い耐候性と耐汚染性を持ち、新築の建物だけでなく、リフォームやリノベーション工事にも利用でき、どのような下地であっても施工可能であるという。
 高強度アクリル被覆繊維の表面に天然石砕粒・着色骨剤を熱硬化型アクリル樹脂により結合硬化し、その表面を過熱硬化型超耐候性樹脂により被覆している。そのため局面施工が出来る柔軟性を持ち、カッターナイフで簡単に切断でき、加工性・施工性に優れ工期の短縮に役立つとのこと。
 原料にはリサイクル材を使用しており、廃棄物の発生を抑制した環境に優しい工法である。
 さらに、同社の特許工法「KS-MA(鎧張)工法」により防水性・耐久性を高め、同時に建物の長寿命化を実現している。施工価格は、1㎡当たり1万6000円~となっている。

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