不動産トピックス

クローズアップ 防災編

2006.07.17 16:58

日立ビルシステム 2タイプの地震時の管制運転システム 地震、火災、停電、浸水時安全構築
 日立ビルシステム(東京都千代田区)では、エレベーターの安全運行を目的に「エレベーター管制運転システム」を販売している。同システムでは、地震時、火災時、停電時、浸水時にそれぞれ、安全確保のための運転システムが構築されている。
 地震時の管制運転については、初期微動と主要動の2種類の地震加速度を感知するシステム「PE-ARVタイプ」と主要動の地震加速度を2段階で感知する「PE-ARタイプ」の2つのシステムがある。
 「PE-ARVタイプ」では、Vセンサ(初期微動感知)が初期微動を感知し、大きな揺れが来る前にエレベーターを最寄階に停止させる。その後、主要動を感知しなければ、自動的に運転を再開する。また主要動を感知した場合、エレベーターは最寄階へ行き停止。点検後、運転を再開する。
 「PE-ARタイプ」では、Hセンサ(主要動感知)が主要動を感知して、エレベーターを最寄階へ停止させる。その後、強い揺れを感知しなければ、運転を再開する。主要動が強い場合は、停止後、点検を行い復帰するという仕組みだ。

イトーキ 地震発生時の家具転倒の可能性を診断 診断にもとづき最適な対策を提案
 イトーキ(大阪市城東区)では、昨年から「オフィス家具耐震診断システム」を活用した診断サービスを実施している。
 同システムは、地震時に現在、設置されている家具が転倒するかどうかを診断するシステム。まず、建物の階数や構造、床の種類、家具の種類などを入力する。すると神戸波、宮城沖波など主な地震波別に被害の大きさを診断することができる。診断では、個々のフロア、個々の家具まで転倒・非転倒を判定することができる。
 地震の揺れは上層部にいくほど大きくなり、1階と9~10階では3~4倍大きくなると言われる。オフィスの家具の転倒対策には固定することが1つの有効な対策となる。しかし、固定するには、1カ所でいくらといった単位で費用がかかる。「揺れが3~4倍あると、9階と1階の家具に同じ対策をするのでは、オーバースペックであり、また、コストも多くかかる」(ソリューション企画部事業推進課担当課長竹田次郎氏)。同システムでは、フロアごとの家具の転倒状況を診断することで、最適な対策を提案している。なお、同システムの開発社は清水建設。

能美防災 不慣れな人でも行動可能 搭載のガイド機能が案内 タッチパネル方式でカラー大画面
 能美防災(東京都千代田区)では、自動火災報知システム「R-24Cシステム」の販売を5月から開始している。
 タッチパネル式で10・4TFTカラーディスプレーを採用。文字も同社の先代モデルのR-22が16ドットであったのに対し、22ドットと大きくなった。スイッチも大きくなり、使いやすさが向上している。
 火災受信機に不慣れなユーザーに対しては、火災の発生時などに最低限行うべき行動をガイドする「ガイド機能」を搭載している。「ガイドモード」と火災や端末機器の作業状況を確認しながら、遠隔制御や作動機器の一覧表示ができる「作業モード」を任意で切り替えて運用できる。
 先代シリーズ(R-22)と互換性があり、同システムで使用した中継機、感知器をそのまま接続することができる。
 用途変更などで、間仕切りの変更が多い場合についても柔軟に対応できる。また、機器の連動制御を棟別単位で遮断したい場合でも対応可能だ。

三菱電機 長周期地震動を検知の感知器を開発 緊急地震速報を活用 初期微動前に避難も
 三菱電機(東京都千代田区)では、地震時にエレベーターを安全に停止させるための新たなエレベータ地震時管制運転システムを開発。6月25日から東京ビルディング(東京都千代田区)で、三菱地所、三菱地所設計と協力し、実証実験を始めている。
 今回開発されたシステムでは、地震が発生した時に配信される緊急地震速報によってエレベーターがある場所の震度と到達時間を予測。あらかじめ決められている以上の揺れが来ることが予想されると、エレベーターに停止指令を発し最寄階に停止させる。地震の震源が80㎞以上離れている場合は、初期微動より緊急地震速報が早くエレベーターに到達することがあるので、途中の階を通過する高層エレベーターでは、特に効果が高い。
 また、これまでの地震感知では検出できないゆっくりとした揺れである長周期地震動を検知する感知器を開発している。長周期の揺れが一定時間以上継続すると、エレベーターを最寄階に停止させる。その後、制御ケーブルやロープの損傷しにくい位置にエレベーターを退避させる。

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