不動産トピックス

クローズアップ フロアコーティング編

2006.06.26 10:25

シーティーワン 導入から5年で500万円のコストを削減 硬度11Hの固さと高い光沢度が特長
 シーティーワン(東京都渋谷区)では、1年前に販売開始したフロアコーティング「スーパーハイグレード」を、大手スーパー、携帯電話のショップ、自動車のショールームなどの多岐に亘る分野に施工している。硬度が11Hと硬く傷つきにくい、また光沢度は80(最高は90)と輝き具合が高いことが同製品の特長となっている。
 同製品はセラミック系(ガラス系)コーティング剤。主成分はシリコーンとシリカで構成されている。このためガラスに近い特性も持ち、硬く、光沢がある。
 フロアコーティングは、ワックスに比べて清掃する場合に、から拭き・モップで簡単に行なうことができる、また長期に亘って光沢を維持できるといったメリットがある。しかしフロアコーティングは最初の施工費用が高いといった懸案がある。そこで同社では、ワックスを使っている場合で定期清掃を月1回実施した場合と、フロアコーティングを施した場合のコストを試算。フロアコーティングをした場合のほうが5年目で500万円のコストに差が出ると算出している。また、同社取締役営業部長加治照雄氏は、「初期の導入費用は、3年で回収できる」とワックスに比べコスト面での優位性をアピールしている。
製品特性だけではなく、同社には、施工、運用にも特長がある。
 フロアコーティングは施工技術が難しいといわれている。しかし、同社ではフロアコーティングにもバリエーションを持ち、目的に合わせた製品を施工できる技術を持つ。
 また、硬度11Hといっても万全ではなく、傷がつく可能性もある。そういった場合、同社で修復も実施する。なお、光沢は3ヵ月から1年維持できる。フロアコーティングは初期の導入コストが高くなるだけ、こうした継続したメンテナンスを行なうことが、導入を検討するビルオーナーにとっても重要な事項だろう。

中村・フクイヤ ナノダイヤモンド触媒と光触媒融合 日のない室内でも消臭・防かび効果発揮
 中村・フクイヤ(愛知県海部郡)では、ナノダイヤモンド触媒「ダイヤモンドマジィック」の販売を開始、3月には住宅メーカーのモデルハウスに、5月にはスポーツメーカーショールームに施工、またスーパーの床などに施工している。
 同製品には、いくつかラインナップがあり、その1つが「ハイブリット」。ナノダイヤモンド触媒の機能と光触媒の機能を合わせ持つ。
コーティングの分野ではこれまで、光触媒の技術が導入されてきた。しかし、光触媒の名前の通り、光が少ないところでは、化学反応が少なく、光触媒としての機能が働きにくい。このため、室内での利用は少なく、外壁など光が充分に取れる屋外での利用が大半を占めている。
 同製品の機能は、抗菌・消臭。暗室・気温5℃の条件で消臭実験をして、効果を発揮している(日本紡績検査協会調べ)。なぜ、光があたらないところでも機能を発揮するのかというのは、ナノダイヤモンド触媒の機能による。暗いところではナノダイヤモンド触媒が機能、明るいところではナノダイヤモンド触媒と光触媒が機能するという仕組みだ。
 抗菌・消臭の他に防かびの機能もある。硬度は、塗って24時間でH1程度となり、60日で9Hになる。消臭や美観、硬度、また室内でも充分こした機能を発揮できることから、フロアコーティングの分野での販売を実施していく。価格は100の場合、1あたり6000円(床)。また施工技術について同社の取締役開発部長山田英人氏は「施工は塗装などより簡単です。わからない場合でも当社で指導すれば、すぐできるようになります」という。
< br> ユニズン ピアノ鏡面仕上げに使用の技術応用 ほぼアクリル樹脂環境負荷が低減
 ユニズン(東京都港区)が販売するフロアコーティング「UFHコート」は、ピアノの鏡面仕上げに使われるコーティング技術をフロアに応用したもので、紫外線硬化樹脂と紫外線照射によって数秒で硬化被膜を床面に形成する。硬化被膜は、高密度で、この膜が汚れを遮断するという仕組みだ。高密度被膜は高い光沢感を実現している。
 フロアコーティングの課題の1つが価格面だが、同社取締役事業統轄長の玉内久弥氏は、「コスト面でも充分勝負していける商品」としている。
 また「環境面でもビルオーナーに貢献できる」と言う。ワックスでのメンテナンスを運用した場合、定期的に剥離が必要となる。剥離汚水などの処理をきちんとしなければ、オーナー側の問題になるケースも考えられるという。また環境負荷をかけるという面がある。同製品は、日常管理はダストコントロールと水拭きだけでよく、こうした懸念はない。環境面についてはさらに玉内氏は、「不純物がほとんどなく、アクリル樹脂ですので、環境、人体に影響が少ない」とアピールする。また塗膜の変色はない、床材の色あせも防ぐ。
 フロアコーティングの実績は徐々に伸びているという。同社が清掃を受託するビルなどでも、フロアコーティングを施工する例が増えているという。価格についても、ワックスと対等化してきているという。ただ、フロアコートを施工する技術は難しく、まだまだ施工業者が少ないのが課題だという。
 なお、同製品は三菱レイヨンと兼松ケミカルが共同開発した。

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