不動産トピックス

クローズアップ 屋上緑化編

2006.05.29 15:41

サカタのタネ シラスバルーンを使用した屋上緑化基盤材 無かん水での管理が可能
 サカタのタネ(横浜市都筑区)では、基盤材の主原料に南九州に広く分布する火山灰土壌のシラスを焼成・発泡処理した「シラスバルーン」使用し、基盤材設置のためのコンテナ部に再生PET樹脂を使用した屋上緑化基盤材『エコキング』を販売している。
 「シラスバルーン」は多孔質なため極めて軽量で、1㎡の加重は約60㎏程度で、感温性保水ポリマーを使用することで、2週間程度、雨が降らなくても無かん水での管理が可能である。
 従来、屋上緑化には厚さ5㎝程度の薄層で軽量な屋上緑化基盤材が、建築物の加重軽減の目的で多用されているが、薄層の基盤材は、その薄さから土壌容量が十分確保できず植物の生育に不向きであるなど、大きな課題があった。これに対し、『エコキング』は、種苗会社ならではのノウハウを駆使し、植物の生育に好適な資材を採用。建築物への負担が小さい軽量・薄層タイプでありながら、芝生をはじめとするさまざまな植物の植栽を可能にした。コンテナを並べ、ビス止めをし、必要に応じてワイヤーで固定するだけのため、施工も容易。また、防根シートも不要なため、またコンテナ底面は根が張り出しにくい構造のため設置床面が傷みにくく、防根シート敷設も基本的に不要でコスト減につながるなどの特徴を持つ。
 価格は芝生(高麗芝)植栽済みで、1万7000円/㎡(荷揚費、かん水装置設置費は別途)。

久保工 国際特許出願中のスカイジェル配合芝生が良好に生育する環境を実現
 建設工事の企画・設計及び工事監理から建築、土木、造園その他建設工事まで請負う久保工(東京都千代田区)の屋上緑化工法であるハイドロゲル緑化工法は、「スカイジェルミックスRS」をベースとすることで、60㎏/㎡で芝生が良好に生育する環境を実現したもの。「スカイジェルミックスRS」は、高品質の泥炭腐植土に、雨水を貯留し、植物の生育を助ける高吸水性樹脂「スカイジェル」を配合した人工軽量土壌で、保水性・排水性も高く、植物が良好に生育するものとして、現在、国際特許も出願中だ。
 建築基準法上の地震時を想定した積載荷重制限60㎏/㎡)に対応しているため、屋上全面に芝生を敷き詰めることが可能だ(従来の屋上緑化工法による芝生植栽は、100㎏/㎡程度)。
 独立行政法人科学技術振興機構からの委託開発事業である「高保水性軽量化マットを用いた屋上緑化技術」の開発結果についても、成功と認定されている。
なお、アフターケアについても、久保工が迅速に対応し、屋上という特殊環境において植物が常に良好な状態で育ち、快適な空間を提供できるよう維持管理にも力を注ぐ。
 既に一般家庭やマンション、オフィスビルの屋上に多数設置実績がある。
 設計基準価格は1万7300円/㎡〜。

東邦レオ 多様な植物の導入が可能 省メンテナンス化が図れる
 東邦レオ(東京都豊島区)の「Rパレットシステム」は厳しい荷重制限の中でも、多様な植物の導入を可能にした新開発の屋上緑化システム。生育基盤の中に、かさ上げ部を設け、植物に必要な土壌厚を確保し、基盤同士を連結することで土壌の連続性も確保。また、生育基盤は底面貯水機能を有しており、保水力の強い人工土壌と自動灌水設備を標準装備することで、省メンテナンス化が図れる。
 特徴として、公共事業や民間の大型再開発において数多く利用されている軽量の屋上緑化専用土壌を利用することで、根に必要な水・酸素・養分をバランス良く供給することが可能なこと。そして圧力調整機能により、ムラなく散水が行える点滴式灌水ホースと制御タイマーを利用して、散水管理を省力化を図れることが挙げられる。
 自動灌水設備が標準装備となるため、給水が確保できない場所には利用できないシステムであり、利用可能高さに制限があること(地上50m、18階程度)、また海岸地域500m以内に該当する場合は、別途機械固定が必要なことなど、幾つかの注意点があるが、責任施工の場合、1年間の枯れ補償を設けている。

杉考 工事事囲いののノウハウ活かしたシステムを展開 企業ロゴやキャラクターの緑化が可能
 建設工事を主要業務とする杉考(川崎市川崎)は、長年に渡る工事囲いの緑化プロジェクトによる、ノウハウを活かしたシステムを展開している。
 すぐ組めて、着せ替えも自由自在の壁面緑化システム「SRパネル」は、300×300の緑化パネルを組み合わせ、設置したその日から十分な緑被率が確保できるシステム。パターンを決めて植物を植え込めば、企業ロゴやキャラクターの壁面緑化が可能。また、つる植物を巻付ける金網メッシュとプランターを一体化したユニット型のシステム「SRコンテナ」は、早期の緑化が可能で、デザイン性が高い。そして、「SRフリー」は、設置が簡単で手軽な壁面緑化で、補助材を用いて、つる植物を登攀させる壁面緑化である。なお、補助材はヤシ繊維を壁面に取付けるタイプ、ワイヤー、パイプなどのタイプが用意されている。
 植物の健康診断、剪定、水管理などのアフターケアにも専門家によるサポート体制を整えている。

浅間軽石 ココ炭配合の屋上で歩ける芝生天然素材100%で安全・高品質 建物の躯体延命にもつながる
 浅間軽石(東京都豊島区)が販売する「ココターフ」は、ココターフは、浅間軽石のフィリピン現地法人で責任製造する、「環境との共生」を実現する製品である。環境にやさしい果実の炭・ココ炭(ヤシガラ炭)が配合され、新築はもちろん、既存建物の屋上やテラスに補強なしで施工、短期間で芝生が根付き、歩ける芝生だ。
 同製品を支えているのが『果実の炭ココ炭』。原料ヤシガラは果実で、年に2〜3回収穫でき、木材を原料とする他の炭と違い、樹木を伐採して森林破壊を引き起こす心配が無い点が特徴。天然素材100%のため、安全・高品質も実現している。
 設置により、芝の水分蒸散作用で都市部の大気温上昇の抑制効果のほか、建物内の空調などの省エネにつながり、また建物の躯体延命「緑の保護層」として紫外線による劣化や昼夜の温度差で起きる熱膨張・収縮による亀裂を防ぎ、酸性雨の染込みも防ぐ。保水力で雨水を溜め込み、豪雨時の河川への流出も遅延することもできる。

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