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広島市の「基町相生通地区第一種市街地再開発事業」 高層棟の名称は”カミハチクロス”に

2025.11.03 11:55
朝日新聞社(東京都中央区)と朝日ビルディング(大阪市北区)は10月27日、広島市中区で推進中の「基町(もとまち)相生通地区第一種市街地再開発事業」の高層棟の名称を「KAMIHACHI X(カミハチクロス)」に決定したと発表した。高層棟の竣工は2027年春を予定している。
開発地は、広島市中区基町と立町にまたがる約1ha。広島の中心市街地を成す三角州の中央に位置する。
同事業は「広島朝日ビル」と中広島変電所、市営基町駐車場を建替えるもので、それぞれ高層棟、変電所棟、市営駐輪場棟として再構成される。合計敷地面積は約7500㎡、建築面積約5900㎡、延床面積約8万6300㎡に達する。
名称の「カミハチクロス」には、「紙屋町・八丁堀(カミハチ)地区内外のヒト・モノ・コトが交わる(クロスする)場所にしたい」、「これからの新しい広島のまちづくりを地域の方々とともに考え、発信していく場所にしたい」という思いを込めている。
高層棟は地上31階地下1階。7~19階の計13フロアには基準階面積約1700㎡のオフィスを整備する。14階の一部にはコワーキングラウンジと貸会議室を設置。3階にはオフィスエントランスを設ける。オフィスフロアは高いスペース効率と円滑なコミュニケーションを実現する無柱空間を実現。CO2排出量やエネルギー消費量は最新の高効率設備の採用で目標をクリアし、耐震性能、非常用の電源や給排水にも対応。災害時でも万全の対策をとるという。
21~31階にはハイアット ホテルズ コーポレーション(米国)のラグジュアリー・ライフスタイルホテル「アンダーズ広島」が入居する。客室数235室で、レストラン、ルーフトップバー&レストラン、宴会場、フィットネスセンターなどを完備する。
3~6階には広島商工会議所が入居。最大収容人数200人を超える大会議室など4つの貸会議室を備える。1~2階には計3区画の飲食店、食物販店舗を誘致予定。
また、朝日新聞グループは地元エリアマネジメント団体「エリアプラットフォーム・カミハチキテル」に参画し、地域との連携も強化する。同団体とともに「カミハチクロス」の1階と6階に整備するオープンスペース「かみはちひろば」と「かみはちこうえん」を活用し、にぎわいを生むまちづくり活動を通じて、地域全体の発展に寄与すべく、事業を推進していく。
変電所棟は地上5階建てで、地域の電力供給の基幹施設である変電所を更新。竣工は今年度を予定している。市営駐輪場棟は地上5階地下1階建て。市営基町駐輪場を更新する。着工は2028年度、竣工は2029年度を予定している。



