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沼津市で複合開発の起工式 中心部の商店街に地上10階のビルなど整備へ

2025.10.27 11:43
タカラレーベン(東京都千代田区)は20日、静岡県沼津市で参画している「町方町・通横町第一地区第一種市街地再開発事業」の起工式を10月1日に行ったと発表した。
「町方町・通横町第一地区第一種市街地再開発事業」の計画地は静岡県沼津市町方町・通横町地区。JR「沼津」駅から南へ600mに位置し、1954年に日本初の公共歩廊式商店街「沼津アーケード名店街」が誕生したエリア。同商店街は沼津市の中核商店街の一つに数えられたが、建物が老朽化し来街者も減少。地元検討会を中心にまちづくりの検討を進め、第一種市街地再開発事業として再生計画が推進されてきた。沼津市のまちづくり方針を示した「沼津市中心市街地まちづくり計画」では、「行きたくなる、暮らしたくなる、誇りたくなるまち」を基本理念とし、「沼津」駅を中心とした南北の都市軸上の拠点に位置付け、来街者の回遊性や日常生活を支える機能の充実を図るとしている。
計画地は商店街に沿った形でA~Eの5街区に分けられ、まずE街区第1地区の開発が推進される。約0・3の同地区には延床面積1万2400㎡、鉄筋コンクリート造地上10階地下1階のビルを建設。総戸数105戸の住宅と商業施設、地域開放スペースで構成する複合施設として整備する。
建物低層部はかつての防火建築帯の歴史を継承するデザインを採用し、地上3階までは従前の建物の面影を残す外観とする。周辺は景観地区に指定されているため、特徴的なアールの外観やポルティコ(公共歩廊)などの意匠を取り入れることで地区の歴史を受け継ぎながら、新たなランドマークとなる景観を創出する。
地上1階には、住宅共用部や店舗のほか地域開放スペースを設置する。商業施設と連続するオープンな空間として開放し、来街者の集いや憩いの場として活用されるほか、新たな賑わいの創出につながる交流の場となることを目指す。
起工式に出席したタカラレーベン取締役兼専務執行役員の吉田正広氏は「グループは今後も、地域が抱えるさまざまな課題を解決していくとともに、機能性や居住性の向上を図り、安全・安心で魅力あるまちづくりを実現してまいります。その実現にあたっては、各種まちづくり手法等を活用し、土地や建物の所有者・権利者の皆さま、そして行政とも連携を図りながら、三者一体となって都市再生に貢献してまいります」と意気込みを話している。「町方町・通横町第一地区第一種市街地再開発事業」の施行者は同市街地再開発組合で、タカラレーベンはフジタ(東京都渋谷区)と共同企業体の特定業務代行者として参画している。



