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積水ハウス 「男性育休白書2025」を発表 取得率は36%超と5年で倍以上に

2025.10.06 12:12

 積水ハウス(大阪市北区)は先月19日、「男性育休白書 2025」を発表した。同調査は日本の男性の家事・育児実態を把握することを目的に実施。全国47都道府県の小学生以下の子どもと同居する20~50代の父親・母親約200名、計9260名のほか、一般社員やマネジメント層にもアンケート調査を行った。
 家事・育児力ランキングでは4つの指標と男性が行う家事育児の数、男性の家事育児の関与度、育休取得日数、男性の家事育児時間、家事育児の幸福度の5項目をそれぞれ数値化し、47都道府県別に男性の家事育児力を算出した。その結果、今年の総合ランキングは2年連続で1位が沖縄県。次いで2位が岡山県、3位が福井県という結果となった。
 今年の調査で特徴的だった点として、1点目は未就学児の子どもがいる男性の育休取得率の増加が挙げられる。36・3%とおよそ3人に1人が取得しており、若い父親・母親層における男性の育休取得が定着し、取得率が急速に高まっていることがわかった。
 次に「会社からの指示でやる気はないがとりあえず取得する」、いわゆる「とるだけ育休」に関して、「とるだけ育休」になっていると思わない女性が昨年より10ポイント増加とポジティブな数字を示した。ただし取得動機は「自分の希望で自主的に取得」した人が約8割と多い一方、5割以上が「育休中に何をすればいいのか分からない」と手探り状態でスタートしている実態が読み取れたのも事実。やる気がない「とるだけ育休」から、取得に意欲的だが何をすればいいか分からない「手探り育休」へと取得に向けた意識が前向きに変化している模様だ。
 コミュニケーションの観点では、夫を「とるだけ育休」と評価した女性の家庭内コミュニケーションの満足度は55・6%なのに対し、「とるだけ育休」ではないと評価した女性の家庭内コミュニケーションの満足度は86・6%と30・9ポイント高い結果が出た。さらに男女ともに家庭内コミュニケーションに「満足」だと育休取得期間中の満足度は76・0%、「不満足」だと29・1%と低く、家庭内コミュニケーションが育休取得の満足度に影響する傾向も見られ始めている。
 ダイバーシティ推進部長の横山亜由美氏は「夫が育休を取得したことで『夫婦間での家事・育児のチーム意識が強くなった』、『育児や家事のストレスが減った』、『睡眠時間の確保がしやすくなった』など女性自身にもポジティブな変化があることが分かっています。また、取得者本人に育休期間の満足度別に職場復帰後の職場での自身の変化について聞いたところ、取得者本人、特に職場でお互い様という気持ちや行動が増したが約17ポイント差、時間管理の意識が増したが約8ポイント差が生じ、満足度が高いほど職場復帰後も良い影響が出ているようです」とした。




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