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東急不動産 シリーズ初となる防音マンションを2棟開発

2025.09.15 10:31

 東急不動産(東京都渋谷区)は、8月29日、同社の賃貸マンションシリーズで初となる防音マンションの「コンフォリア・リヴ森下MUTIO」、「コンフォリア・リヴ平井MUTIO」を竣工した。
 「コンフォリア」は東急不動産が展開している賃貸マンションシリーズ。名称は英語で満足を意味する「comfort」、ラテン語で場所を表す「ia」のふたつを由来とし、首都圏・関西を中心に展開してきた。今回竣工した2物件は、8月に発表した大型犬と居住できるペット共生型の「コンフォリア・リヴ八坂富士見」に次ぐ付加価値型の賃貸住宅となる。
 「コンフォリア・リヴ森下MUTIO」は都営線「森下」徒歩5分、「菊川」駅徒歩5分に立地する。地上10階建てのRC造。店舗1区画、1Kの全16戸、専有面積はそれぞれ25~28㎡で構成される。一方「コンフォリア・リブ平井MUTIO」はJR「平井」駅から徒歩8分に立地。地上6階建てRC造、住居は全56戸で、27㎡前後の1DKが26戸、50㎡程度の2LDKが30戸の構成とした。
 MUTIOの大きな特徴は全戸に防音仕様の部屋が設えられていること。森下の物件は玄関と水回りを除く部屋全体が防音仕様となっており、住戸間において約70dB(デシベル)の抑制を目標とした。ピアノやバイオリンといった楽器の音が100dB程度であるのに対し、夜の住宅街や図書館・美術館などの静かな環境に相当する30dB台まで消音効果が期待できる。また広めの住戸では一般的なサイズのグランドピアノをレイアウトすることも可能だ。
 平井の物件では各部屋のうち3~4畳の広さにおいて防音仕様を施し、約80dBを抑制できる。共有部には「コミュニティルーム」を開設。セッションや配信イベント等、入居者同士とのコミュニティ形成にもつながる場も整えている。
 開発の経緯について住宅事業ユニット 首都圏住宅事業本部の辻香帆氏は「どちらも音大等はあまり多くはないエリアである一方、周辺にはワンルームやDINKSの方がお住まいになられるマンションが多数あります。ここで何か差別化できないかと考えた際にたどり着いたのが防音です。コロナ禍を経て楽器演奏だけではなく、動画配信や静かな環境でテレワークをしたいといった需要が高まっていることを踏まえて、防音の価値を見直したことが今回のプロジェクトの根底にあります」と話す。
 なお、賃料は森下の物件が14万円台後半~15万円台後半、平井は1LDKが11万円台、2LDKは21~22万円程度という。




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