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宅島建設 福利厚生の拡充と採用活動を強化 大学の留学生対象にPR活動を継続
2025.08.18 12:15
業界イメージ向上を目指しラジオ番組の自主制作開始
1951年3月設立の宅島建設(長崎県雲仙市)は、現在福利厚生の拡充と採用活動の強化に注力している。
同社は長崎県内を中心に総合建設業(土木・建築)、不動産賃貸業などの事業を展開する。土木は主に公共工事の受注が多く、一方建築はマンション・ホテルのビル建築のほか、医療・福祉施設、工場・倉庫の大型案件から、一般住宅なども手掛ける。また不動産仲介を含めた事業の提案を行うことも少なくない。
土木と建築は別々の業務・部署であるが、大規模な案件ともなれば建築前の土地造成工事や、メインの建物に加え敷地内の駐車場や外構工事を請け負うため、双方の連携強化により納期内完成とさらなる品質向上を目指している。その中で、社員の労働環境改善のため休日の取得を勧めるなど、社員のことを第一に考えている。
福利厚生の拡充。福利厚生面では、「社員は家族」をモットーとして6月から誕生日の社員へ、1万円相当の食事券などをプレゼントする取り組みを開始。「社員を支えて下さる家族も一緒に楽しんでもらいたい」との思いで実施している。
採用活動の強化。新卒者採用は学校訪問を以前より回数を増やした結果、企業説明会や見学会の機会も多くできた。業界イメージ向上を行うこと、それは年齢の低い世代にできるだけ早い時期から情報発信を行うことが業界のイメージ向上に有効と考え、FMラジオ番組「エール」の自主制作を開始した。社員がパーソナリティーとなり、「若い皆さんの夢に寄り添い応援する」というテーマで、学校を訪問し収録。学生の日常や夢や不安について話を聞いて放送している。番組後半では社員も出演し仕事内容や自身のエピソードを通して学生にエールを送っている。入社後のサポート体制等も紹介するなど、対外的な効果だけでなく社内にもイメージ向上につながる好循環を生み出している。
常務取締役の竹野由一氏は「建設業の”負”のイメージを払拭したいと考え、ラジオ番組を始めました。建設業の使命(地域の安全・安心を確保、快適な空間を創造、自然災害時の緊急対応)をご紹介すると、大きな反響がかえって来ます。『エール!』を通して、私たちの役割を知ってもらうことで、少しでも建設業に興味を持って下さる学生・保護者の皆さんが増えればうれしいです。ある中学校の教育方針と連携する形で『協育宣言』を締結し、学生の自己発信力育成の場としてラジオ出演をしていただいています」と語った。
外国人技能実習生を受入 22名の外国人社員も在籍
このような動きは企画部を立ち上げて推進している。企画部では「(1)社内外への情報発信ならびにPR」、「(2)採用活動」、「(3)外国人労働者のケア」、「(4)地域貢献事業の推進」などを行っている。自社の採用活動そして社内への情報提供を含めた動きを積極的に行うことで、将来の仲間づくりに寄与すると同時に、来年3月に迎える同社の設立75周年を盛り上げる基盤づくりを行いたいと考えている。
そのほか採用後の環境を整えるべく、県内に独身寮を用意。採用活動と共に福利厚生の拡充を着実に進めている。外国人採用に関して竹野氏は「現在2名の外国人技能実習生を受け入れています。グループ内には22名の外国人社員も在籍しており、彼らが安心して勤務できるように交流会や買い物サポートを定期的に開催しています。また彼らのネットワークを作り、自分の思いや意見を集約し今後の運営に生かすため担当者として、外国人の新入社員を雇用しました。我々の方言や、早口言葉では外国人社員に伝わりません。思い込みや理解しないままの作業は、事故につながる危険性があります。そのため、グループの社内報に『やさしい日本語』のコーナーを設け、より良いコミュニケーションが図れるよう取り組んでいます。この外国人の新入社員を中心に、日本の大学へ進学している留学生を対象にPR活動を続けています。住み心地や快適さを感じてもらうことで、卒業後の定着にもつながればと思います」と語った。