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「第一生命京橋キノテラス」竣工 国内オフィスビル最大級の木材使用量

2025.07.28 13:38
第一生命保険(東京都千代田区)は23日、清水建設(東京都中央区)の技術協力のもと開発を進めてきた、木造と鉄骨造のハイブリッド構造による賃貸オフィスビル「第一生命京橋キノテラス」が18日に竣工したと発表した。
「第一生命京橋キノテラス」の立地は東京都中央区京橋。東京メトロ銀座線「京橋」駅と直結し、中央通りと鍛冶橋通りが交差する視認性の高い場所に位置する。
建物は敷地面積1322・24㎡、延床面積1万6151・25㎡、鉄骨造一部木造地上12階地下2階。高さは56mで、木造ハイブリッド構造のオフィスビルとしては竣工時点で日本一の高さという。
主要構造部の天井や梁に使用した木材を内装デザインにも活用し、木に囲まれた執務空間を提供する。さらに各階にはワーカーが外気に触れられるテラスを配置。また、ビルの南側に位置する複合ビル「東京スクエアガーデン」のオープンスペースに面する立地特性も意識して基準階計画を策定した。
専有部では周囲の景観も含めて南北に視線の抜けた40m×17mの木質無柱空間を実現。1~2階の屋外ピロティ空間は柱や軒天井に木を利用することで、来街者にも木のぬくもりが感じられるデザインとしている。
構造には清水建設の木材と鉄骨、コンクリートを適材適所に組み合わせた木質ハイブリッド技術「シミズ ハイウッド」を活用。中・大規模の木造建築に求められる耐震性、耐火性、施工性を確保した。第一生命にとっては、2022年度に竣工した「TDテラス宇都宮1」に次ぐ2例目の木造ハイブリッド構造の建物となる。
積極的な木材の使用により、オフィスビルとして国内最大級となる木材(約1100㎥)を使用しており、CO2の固定化は約740t。また電炉材の活用により、同規模の鉄骨造オフィスビルと比べ、建設時のCO2排出量を約37・5%削減している。
第一生命グループは事業を通じた社会課題の解決と目指す社会の実現に向けて、サステナブルな社会の実現に取り組んでいる。同社の不動産領域においても顧客への提供サービスを拡充するとともに、持続可能な環境・社会へ貢献していくとしている。