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「天神住友生命FJビジネスセンター」竣工 地下鉄「天神」駅直結の24階建てオフィスビル

2025.07.21 11:13

 住友生命保険(大阪市中央区)と福岡地所(福岡市博多区)が開発を進めてきたオフィスビル「天神住友生命FJビジネスセンター」が6月30日に竣工し、7月7日に竣工式を行った。開業は9月上旬を予定している。
 立地は福岡市中央区天神。天神西交差点に位置し、地下鉄「天神」駅と直結する。
 同ビルは敷地面積約2820㎡、建築面積約1885㎡、延床面積約4万2025㎡、地上24階地下2階。事務所、店舗などの機能を備える複合オフィスビル。
 オフィスフロアは最小33坪から最大383坪まで対応可能。また各フロア北西部にはテナントが自由に利用できる専用バルコニーを配置している。
 2~4階と最上階には約1000坪にわたる大規模な入居テナント専用の共用スペースを設けた。会議室やオープンワークスペース、カフェカウンターに加え、サウナやジムエリア、屋上テラスなどを用意し、リフレッシュ機能も提供する。
 敷地の東側にはピロティ空間を設けるほか、西側には庇のある広場空間を創出。広場には高さ約13mの山桜をシンボルツリーとして配置し、植栽と合わせてベンチなどの休憩施設も設置。さらに敷地北西の地上広場にはイタリア出身のアーティストであるエステル・ストッカー氏によるパブリックアートを設置している。
 BCP対策としては制振ダンパーを設置し、建築基準法で定められた性能以上の地震力を吸収できる構造としている。また通常時、停電時それぞれ電源供給のバックアップ体制を構築。非常時にはビル共用部のほか、オフィス照明やOAコンセント電源(オプション)に事業継続可能な電力を供給する。
 環境対策としては、地下広場のベンチや仕上げ材等への木材製品の使用や、製造時のCO2排出量を削減したECMコンクリートを採用している。
 感染症対策としては、各階に配したバルコニーやピロティ空間等のオープンエアーの整備や先行予約システム導入による非接触でのエレベーター呼び出し機能等を有する。
 今回の開発は、福岡市の再開発促進プロジェクト「天神ビッグバン」の一環。住友生命では、不動産投資を通じて社会・環境課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現への貢献と、中長期的な運用収益向上の両立を目指すとしている。福岡地所は今回の開発を通じて入居者の多様で柔軟な働き方を実現し、より一層、企業や人を呼び込むまちづくりに邁進する構えを示している。




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