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「船堀」駅前で大規模再開発が始動 再開発組合設立認可、2棟のビルを建設へ

2025.07.21 11:15
東京都江戸川区の都営新宿線「船堀」駅前で再開発が始動する。東京都は15日、船堀四丁目地区市街地再開発組合の設立を認可すると発表した。
再開発の事業地は江戸川区船堀四丁目。「船堀」駅に隣接する区の複合施設「タワーホール船堀」の北側に位置する約2・6haの用地だ。適正な高度利用や多様な都市機能の集積を図り、日常的なにぎわいを創出するとともに、回遊性が高く、駅前にふさわしい拠点を形成。また、高台まちづくりとして、本事業で整備されるビルに加え、隣接する区の施設と歩行者デッキでつなぎ、防災活動の拠点を形成する。総事業費は約1146億円。
計画では、庁舎棟と民間棟の2棟のビルを建設。北側の庁舎棟は延床面積約6万1330㎡、地上21階建てで、江戸川区役所本庁舎や都税事務所などが入る。南側の民間棟は延床面積約5万8500㎡、地上26階地下1階。商業施設や公益業務施設、保育所、住宅などが入る。
都では再開発の事業効果として3点を挙げる。1つめが「多世代、多文化の交流で賑わう共生社会の実現」で、土地の合理的かつ健全な高度利用を図ることで、商業、業務、文化、子育て、住宅などの多様な都市機能が集積する複合市街地の形成を図り、区内外からの交流やにぎわいを促すとしている。2点めは「あらゆる災害に備えた防災拠点の形成」。「船堀」駅前広場から「タワーホール船堀」、民間棟、庁舎棟まで、最大浸水深以上の高さの歩行者デッキでつなぐことにより、防災活動拠点を形成し防災力の向上を図る。3つめは「船堀グリーンロードを軸とした歩行者空間、みどりのネットワークを創出」。歩行者デッキの新設および緑道広場(船堀グリーンロード)の拡幅により安全で快適な歩行者空間を整備するとともに、豊かなみどりを創出し、施設建築物と調和したみどりのネットワークを形成する。
今後は2026年度の権利変換計画認可を経て2027年度に工事に着手し、建物竣工は2030年度を予定している。