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グローバルトラストネットワークス 外資送客の独自ルート確立 日本進出の拠点づくりや生活をサポート

2025.07.14 11:35

外国人向けの総合不動産会社 居住用と事業用家賃保証展開
 グローバルトラストネットワークス(東京都豊島区、GTN)は、外国人専門の家賃保証事業や不動産物件の仲介業、生活サポート事業などを展開しており、外国人向けの「総合不動産会社」のパイオニアとして知られる。年々同社への依頼・需要が伸びており、緩やかに外国人にも部屋を貸し出すオーナーが増えている。
 GTNは居住用と事業用の家賃保証サービスを提供している。定期的にプランの拡充や見直しを図っており、昨年1月には事業用での保証内容の拡大、保証限度額の引き上げ、集金代行型プランを実施。今年2月には賃料増額時の保証限度額上限の引き上げに応える形で、追加保証料の請求有無によらず保証限度額を引き上げた。そのほかにシステムの使いやすさや見やすさ・分かりやすさ向上を目的とした簡略化等も定期的に実施。不動産オーナーや管理会社、仲介業者からも魅力的な内容へブラッシュアップを重ねている。
 特徴は送客の独自ルートを確立していること。海外に複数のルートを持ち、そこから海外企業の誘致や日本支社・日本進出の拠点づくりの依頼が寄せられる。単なるテナントの集客とは違い、彼ら企業の具体的なニーズをヒアリング。後に不動産オーナーや管理会社などへ伝えて、一緒に拠点づくりをバックアップする。多言語対応を強みとしているため英語や中国語のみの企業と違い、様々な国の企業へ対応可能。今後外国人向けの不動産ビジネス拡充を目指す企業や、外国人も住むことのできる物件を検討するオーナーには魅力的なパートナーと言える。またリスクマネジメントのノウハウ・情報も持つ。一般的な与信調査と違い、同社は2006年の創業時から収集してきた膨大なデータを持つ。前述の独自ルートと合わせて審査でき、不測の事態にも対応できる。

契約後の生活もサポート 手離れの良さも特徴
 生活サポートも強み。契約前・契約後におけるオーナーと契約者(外国人)との橋渡しや認識の共有を行いつつ、契約者に対しての多言語での生活サポートも実施する。特に契約者には賃貸借契約をはじめ、日本の規則やルール等をしっかり事前に伝える・認識させることで、トラブルを未然に回避。また契約者の生活サポートを行うことで、日本国内での生活および事業の継続にもつながる。社内には24時間対応可能な生活サポートセンターを設置。サポート事業を内製化しているため、オーナーや管理会社にとっては手離れがよい。
 執行役員 外国人共生事業本部 保証事業部の馬場勇副事業部長は「不動産等のハードはオーナーの業務範囲ですが、ソフトサービスについてはGTNが窓口かつ一括で対応できます。社内には多国籍のスタッフがいるため、先住の先輩として新たに日本へ移り住む人には親身になってサポートできることも特徴です。昨今は社宅代行の需要が伸びており、外国人の住まい探しや入居後のサポート、インターネット等のモバイル契約における支援、退去時のサポートまで対応できます。日本人の働き手が今後ますます減っていく状況の中、外国人を積極的に採用していく企業も増えていくでしょう。その際に当社のような企業と協力しながら、担保として活用することも検討するべきだと思います」と語った。

地方都市の大学と協力 留学生定着の啓蒙活動
 GTNは日本最大級の外国人向け物件サイト「BEST―ESTATE.JP」を展開している。外国人の賃貸了承物件のみ掲載しており、外国人向けのレインズともいえる。代理店契約を結べば広告料は無料。掲載数は現在9万5000件。15年以上続けているため、認知度も高い。保有および管理物件の稼働率を高めたい、外国人向けに賃貸しても問題ない物件においては適したサイトだ。今後同社は前述の保証サービスやBEST―ESTATE.JPの拡充に加えて、一般層だけでなく富裕層向けの支援環境の充実も図る。裏付けできるようにAI審査等も活用しながら、双方の需要に応えていく。
 「当社のビジネスは地方都市および地域の活性化にも寄与できると見ています。外国人を誘致して、彼らが定着する環境づくり・サポート体制ができれば、過疎化や地域の魅力低下も防ぐことができます。現在当社は地方の大学と協力して、留学生の誘致・定着につながる啓蒙活動を行っています。留学生は日本の大学に進学しても卒業後に自国へ帰ることは少なくありません。卒業後は地方の地元企業に就職し、働き手となる仕組みづくりで地域の活性化につながると思います」(馬場氏)




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