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「Landport横浜杉田」竣工 地域に開かれた”オープン・シェア型物流施設”
2025.04.28 11:12
IHI(東京都江東区)と野村不動産(東京都新宿区)は、横浜市金沢区で共同開発してきた物流施設「Landport横浜杉田」を竣工させた。
立地は横浜市金沢区昭和町のIHI工場跡地。首都高速湾岸線「杉田」ICから約680mに位置し、金沢シーサイドライン「南部市場」駅から徒歩4分に立地する。
施設は敷地面積7万1034・94㎡、延床面積16万3409・47㎡。RC(柱)S造(梁)、ダブルランプ型、免震構造地上4階建てで、両社では「オープン・シェア型物流施設」と位置づける。
「オープン・シェア型」とは、屋上菜園や施設内の広場・樹木など施設が有する様々なリソースを地域イベントの開催場所や防災拠点として共有することで、施設や地域の関係者が繋がり合い、地域の雇用や防災レジリエンス向上などの価値を創出できる施設。
特徴的なのが、シェア型の自動倉庫を初めて導入した点。自動倉庫をパレット単位で賃貸することで、物流量の増減による倉庫賃貸面積の無駄をなくすことができる。また、自動化による省人化にも貢献する。
屋上にはプランティオ(東京都渋谷区)が運営協力するスマートコミュニティ農園を物流施設として初めて設置。AIやIoT、ICTを活用して土壌水分量や温度の分析、アプリを活用した水やりタイミングの通知などにより、施設内のワーカーが栽培のためのプロセスを分担しながら野菜を栽培する。
施設東側のランプ下には、テナントや地域住民が利用可能な総座席数46席のコミュニティスペースを設置。災害対策としては72時間運転可能な非常用発電機を完備。防災備蓄庫も設置している。
環境対策としては屋上に太陽光発電システムを導入し、使用電力をグリーン電力とすることで「ZEB」最高ランクを取得予定。また、既存の井戸を植栽散水用および有時の際の災害用水として利用可能としている。