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阪急阪神不動産 リノベーションオフィス「enSUITE」開始

2025.04.07 11:32
新築中規模オフィス「SUITE」は第3号物件着工
阪急阪神不動産(大阪市北区)は、2023年10月から新築の中規模オフィスシリーズ「SUITE(スイテ)」を展開してきた。この「SUITE」と並行して中規模の既存ビルのバリューアップを図るべく、新たにリノベーションオフィスを提供する事業「enSUITE(エンスイテ)」を開始する。また「SUITE」は第3号物件「スイテ日本橋人形町」が着工した。
リノベーションオフィスの「enSUITE」は、環境(environment)に配慮したリノベーションによって既存のオフィス空間を向上(enhance)させる思いから、共通する「en」を用いた。また日本語読みでは「縁」となる。新たな機会や可能性を見いだすきっかけとして、また同社のリノベーション事業を通じて新しい顧客層やビジネスパートナーとの縁を築くことを企図して命名した。
「enSUITE」の第1号案件は東京都港区の御成門。都営地下鉄三田線「御成門」駅から徒歩3分に位置する、オフィス・店舗の複合ビル。1997年7月竣工の地上9階建てで、延床面積は約3690㎡。各階面積は約380㎡(約113坪)。同ビルをリノベーションし、今年6月に「エンスイテ御成門」として完成・竣工を迎える。ちなみに設計・監理・施工はユニオンテック(東京都渋谷区)が担当した。
また新築オフィスビルの「SUITE」は、第3号物件の「スイテ日本橋人形町」が着工。東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線「人形町」駅から徒歩1分の好立地で進めており、オフィス・店舗の複合ビル。規模は地上11階建て。延床面積は約4300㎡。各階面積は約350㎡(約105坪)。竣工は2027年春の予定だ。
立地する人形町の雰囲気や歴史などが感じられるよう、外観はオフィスや老舗商店が連なる街並みに馴染むデザインを計画。また内装は幅広いテナントニーズに応えられるよう、多様な会議室と什器を設置したハーフセットアップを採用する。
共用部にはワーカー専用ラウンジや屋上テラスを設けるなど、入居テナントのワーカーの満足度をより高められる様々な工夫を凝らす。その他に24時間対応の非常用電源設備や各フロアの専用部に備蓄倉庫を設けるなど、BCP対策にも注力する。
ちなみに「SUITE」シリーズの第1号物件は地上8階建ての「スイテ新御徒町」で、完成は今年5月の予定。また第2号物件は、地上14階地下1階建ての「スイテ新横浜」。完成は今年9月の予定だ。特に「スイテ新横浜」は延床面積が約1万3200㎡と大きく、他2棟とはリーシング対象も若干異なることが予想される。同社では多様なニーズに対応するべく、新築とリノベーションの2パターンで、首都圏を対象に中規模オフィス事業を積極的に展開していく。