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京急とトヨタが「品川」駅西口に大規模ビル ホテル・商業・MICEなど整備 オフィス部分にはトヨタ東京本社

2024.04.01 11:37

 京浜急行電鉄(横浜市西区)は3月22日、東京都港区高輪3丁目地区(旧シナガワグース敷地)を再開発する「(仮称)品川駅西口地区A地区新築計画」の事業化を正式に決定した。新築する建物の一部をトヨタ自動車(愛知県豊田市)が取得し、東京本社として使用する計画。
 開発地は東京都港区高輪3丁目で、JRおよび京浜急行「品川」駅の西口に位置する。京急グループが運営していた、ホテルを核とする複合施設「シナガワグース」の跡地で、2021年の閉館後は再開発に向けた準備が進められていた。
 事業化が決定したのは開発用地の東南に位置するA街区で、ここに敷地面積約2万3600㎡、延床面積約31万3100㎡、地上29階地下4階のビルを建設。ホテル、オフィス、商業施設のほか、カンファレンスや多目的ホールといったMICE施設も整備する。着工は2025年度、竣工は2029年度を予定している。
 トヨタは2020年4月から開発計画に参画しており、建物内オフィスの一部を取得して新たな東京本社として2029年度に開業する予定。オフィス設備に加え、オフィス内へのモビリティ実機の持ち込みを可能にするなど、多様な人材がクリエイティビティを発揮できる環境を目指す。また、新しい働き方を実践できる福利厚生等の制度やインフラの導入も検討する。
 京浜急行電鉄とトヨタは事業化に伴い、3月27日付で共同で計画建物を建設・運営する契約を締結。共同でまちづくりを推進するとともに、強固なパートナーシップのもと本計画を推進する構えだ。
 京浜急行電鉄は品川エリアを「これからの日本の成長を牽引する国際交流拠点」に位置付け、その実現に向けた開発を推進してきた。A街区を含む「品川」駅西口地区では、2023年6月に都市再生機構(横浜市中区、UR)が進める「品川駅西口土地区画整理事業」が国土交通大臣の事業計画認可を受け、開発が本格化している。
 京浜急行電鉄では、ターミナル駅前でありながら豊かな自然に恵まれた環境や、旧宮邸や大名屋敷など古くからの迎賓の地としての役割を継承し、世界の人々をもてなすエリアの顔にふさわしいまちづくりを推進。「品川」駅前のポテンシャルを活用すべく、開発を進めていくとしている。

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