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日立 高さ284m超高層ビルに昇降機導入 エレベーターの運用を効率化するシステムも

2022.08.15 11:30

 日立製作所(東京都千代田区)と日立ビルシステム(東京都千代田区)は、日本橋エリアにおける最大規模の複合開発プロジェクトである「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」の超高層棟が位置するC街区向けに昇降機(エレベーター・エスカレーター)を受注した。
 「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」は、名橋「日本橋」に隣接し、日本橋エリアで最も高い建物高さ284mの超高層棟を中心とする同エリア最大規模のプロジェクト。A~Cの3街区で構成される。
 超高層棟が位置するC街区は、敷地面積約1万5560㎡、延床面積約36万8700㎡、地上52階地下5階塔屋3階の大規模複合施設。オフィス、ホテル、居住施設、商業施設、MICE施設、ビジネス支援施設の6用途によって構成される。同事業の竣工は2026年3月末を予定している。
 今回同街区には、定格速度分速480mの超高速エレベーターや、定格速度分速300m・積載質量4550kg(定員70人)の高速・大容量エレベーターをはじめとするエレベーター104台、エスカレーター35台の計139台の昇降機を導入する予定。今回の受注は日本国内における日立グループの昇降機受注としては過去最大級となる。
 また、エレベーターの効率的な配車を実現するシステムとして、エレベーターホールに設置した登録装置などで行先階を登録すると最適なエレベーターが予約され、そのエレベーター号機が装置の液晶部に表示される行先階予約システム「FIBEE」と、AIの活用によって複数台のエレベーターを効率よく配車する、人流予測型エレベーター運行管理システム「FI―700」を併せて導入する予定。
 A街区では、日本橋野村ビル旧館の風格ある外観を保存活用する事で、日本橋の伝統と文化を受け継ぎつつ地域全体のさらなる賑わい形成を図る。旧館は、「自由様式」を標榜した建築家安井武雄により、1930年に竣工。三層構成を踏襲しながら柱型をなくし、東洋風の意匠を纏わせた折衷様式のデザインであり、貴重な近代建築物として中央区指定有形文化財に指定されている。
 B街区では、中央区指定有形文化財であるA街区との一体感ある景観を醸成し、日本橋川の水辺空間にふさわしいヒューマンスケールな街並み形成を行う。C街区と地上3階レベルでデッキ接続しており、日本橋川沿いの賑わいにつながる商業空間の創出、および水辺の落ち着きを感じる多様なライフスタイルに対応可能な約50戸の住戸を予定している。超高層棟が位置するC街区は、敷地面積約1万5560㎡、延床面積約36万8700㎡、地上52階地下5階塔屋3階の大規模複合施設。オフィス、ホテル、居住施設、商業施設、MICE施設、ビジネス支援施設の6用途によって構成される。同事業の竣工は2026年3月末を予定している。

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