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「池袋」駅北東の線路沿いに大規模複合ビル 東池袋一丁目地区第一種市街地再開発事業組合設立

2022.08.01 11:38

 「東池袋一丁目地区第一種市街地再開発事業」が本格的にスタートする。先月25日に第一種市街地再開発組合(東京都豊島区)が設立され、住友不動産(東京都新宿区)が参加組合員として事業に参画すると発表した。
 計画地は「池袋」駅北東側の明治通り(環状5号線)と、JRの線路に囲まれた街区で、開発区域面積は約1・5ha。特定都市再生緊急整備地域内に位置し、今回の事業で土地の高度利用による都市機能の更新を図ることで、安全性を高めた歩行者空間の整備や地域の防災性向上を図りつつ、池袋の特徴であるアート・カルチャーの発信の拠点を創出し、国際性豊かなにぎわいのある拠点形成を図るとしている。
 事業では既成市街地及び未利用地の更新を図るべく、敷地面積約9900㎡、延床面積約15万5000㎡、地上33階地下3階のビルを建設。事務所・文化体験施設・イベントホールなどを備えた大規模複合施設として整備し、「国際アート・カルチャー都市『池袋』」の魅力向上に資する新たな文化・交流拠点を形成する。あわせて、文化体験施設と一体利用も可能な「みどりの丘」等を含む、合計約4900㎡の広場を整備する。
 建物内には、豊島区が運行する循環バス「イケバス」の運行拠点を整備し、駅周辺の観光資源をつなぐバスネットワークを形成するなど、「池袋」駅周辺の回遊性の向上にも取り組む。
 また、再開発と併せて区域外の整備も実施する。「池袋」駅から池袋駅前公園を経て計画地まで、線路に沿った歩行者空間を連続的に再整備することで、約500mの「みどりのプロムナード」を創出。公園内には滞在や交流を促す「パークセンター」を整備するとともに、南北区道などの周辺道路を美装化することにより、安全で快適な歩行者ネットワークを形成する。
 再開発建物内には、帰宅困難者受入れスペース・防災備蓄倉庫なども整備し地域の防災対応力の強化を図る。また、建物の省エネルギー化・地域冷暖房の採用によりエネルギーの面的利用に取組むことで、環境負荷低減の推進も図る計画。
 着工は2023年度、竣工は2027年度を予定している。

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