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国家戦略特区・浜松町エリアの大規模複合開発「芝浦一丁目プロジェクト」着工

2021.10.04 11:57

 1日、野村不動産(東京都新宿区)と野村不動産ビルディング(東京都港区)、東日本旅客鉄道(東京都渋谷区、JR東日本)は、共同で推進している「芝浦一丁目プロジェクト」を着工した。
 同プロジェクトは「浜松町ビルディング(東芝ビルディング)」の建替え事業で、国家戦略特別区域計画の特定事業に指定されている。今回着工するのはS棟で、2027年度着工のN棟とともに、ツインタワーの建設を予定している。
 S棟は地上43階地下3階で高さ約235m、竣工予定時期は2024年度。N棟は地上45階地下3階で高さは同じ約235m、竣工予定時期は2030年度を予定している。事業全体の区域面積は4・7ha、延床面積55万㎡。オフィス、ホテル、商業施設、住宅を含む、約10年間に及ぶ大規模複合開発が本格的にスタートした。
 プロジェクトでは気候変動に対する緩和策として、最新の省エネ・省CO2技術を導入。「創電」による再生可能エネルギーや「カーボンニュートラル都市ガス」の導入等により、大規模複合開発における街区全体でのCO2排出量を実質ゼロにする計画となっている。
加えて、気候変動への適応策として水害等の災害にも耐えられる性能を整備。敷地内に防潮板を設置することはもちろん、万が一の浸水に備え重要電気諸施設を2階以上に設置し、地下重要施設にも水密扉を設置する。また、内水氾濫対策として雨水等対応のための緊急遮断弁を設ける等、都市機能の維持に取り組む。
 東京湾岸部の新たなシンボルとして、東京の玄関口の景色を一新すると言われている同プロジェクト。全体完成は2030年度となるが、早くも大きな期待を集めている。

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