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コロナ禍契機にホテル再生案件増加 「ホテルパス」活用で需要の間口広げる

2021.01.18 12:24

 住宅リノベーションを中心に実績を持つグッドルーム(東京都品川区)がコロナ禍を契機にしてホテルでのリノベーション案件が増加している。施設の内外装をリニューアルするだけでなく、リブランディングなども含めてトータルにホテル経営を支援する。

 千葉市中央区にあるレジャーホテル「ホテルバロン千葉中央」をリノベーション、宿泊特化型ホテル「ORDA HOTEL(オルダホテル)」として昨年11月21日にオープンした。
 建物は築30年で地下1階地上7階建て、延床面積3788・88㎡、総客室数60室。同建物を運営するのは商業施設や集合住宅、開発など収益不動産に投資するブッシュクロフィード(東京都渋谷区)。
 グッドルームのビジネス開発推進本部部長代理の佐藤陽亮氏は「このホテルの再生について、2019年8月頃から相談を受けていました」と話す。もともと両社はブッシュクロフィード社が保有するレジデンスのリニューアル等で取引があった。その関係から、ホテルの相談も受けていた。
 リニューアルプロジェクトを進めていた最中に襲ったコロナ禍。しかしプロジェクトは遅滞なく進んでいった。というのも「もともと再生後のホテルのターゲットとして国内のビジネス客などを見据えていた」ため影響は限定されていた。
 使いやすさの向上はもちろんのこと、ホテル全体の収益改善も実施した。これまで2階にあった会議スペースをフロントとラウンジに改修し、1階はテナントスペースとした。佐藤氏は「レンタブル比を改善して、ホテル全体で利益を上げられる構造にしました」と話す。
 加えて、20年6月から運営するホテル長期滞在サービス「goodroomホテルパス」も活用する。月額定額制で全国のホテルを14連泊以上で住み替えできるサービスで、全国の200以上のホテルが利用できる。
 「運用しているサイトはマンスリーマンションなどと一緒に掲載しています。昨今広がりを見せているテレワークやワーケーション需要などはもちろんのこと、マンスリーマンション代わりにホテルを利用する、というような需要もあります」
 ホテルは住む・泊まるだけでなく、完全個室であることからワークスペースとして必要なセキュリティ性も保持できる。グッドルームでは今後もホテル再生案件をこなしていく予定だ。

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