週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

ルクレ ビル管理のDXを進める 「ZENGO」で利便性向上や業務効率化に寄与

2020.10.12 14:46

 建設現場の生産性向上に貢献する写真管理ソフトを開発するルクレ(東京都港区)は先月29日、ビルメンテナンス業のDX(デジタルトランスフォーメーション:IT技術を駆使して業務効率化等を図ること)を進めるクラウド写真報告書「ZENGO(ゼンゴ)」のサービス提供を開始した。
 1995年に会社設立。デジタルカメラのアルバムソフト「デジカメ蔵衛門」をリリース。その後、99年に工務店からスーパーゼネコンまでを対象とする工事写真管理ソフト「蔵衛門御用達」を発売し、ロングセラー商品となっている。クリエイティブソリューションDiv.プランニングGr.ディレクターの田添瞳氏は「『蔵衛門御用達』は、工務店やゼネコンだけでなく、ビルメンテナンス会社など幅広い業種でご利用いただいております」と話す。
 しかし、工事黒板による台帳作成や電子納品などビルやマンション等のメンテナンス業務には、必要のない機能も搭載されている。「実際に『蔵衛門御用達』を利用しているビルメンテナンス会社などからの要望もいただきまして、よりメンテナンス業務に特化したソフトを展開していくことを構想しました」(田添氏)。結果、「蔵衛門御用達」のノウハウをもとに、新しく「ZENGO」として展開することになった。
 「ZENGO」はビルメンテナンスなどの現場での報告業務の効率化を実現する。たとえば作業前と作業後の写真をスマートフォンで撮影して、「ZENGO」上で作業内容などを記入すると、その場で写真報告書を生成することが可能となる。
 作業写真の撮影について、これまであった課題も解決する。たとえば「撮り忘れ」。「特に作業前と後の写真を撮影する担当者が異なると、撮り忘れが発生しやすい」(田添氏)。しかし「ZENGO」は撮影計画の作成が可能。この撮影計画で撮影状況を確認することで撮り忘れを防ぐことができる。
 作業前後の写真がアングルの違いなどから、正確に作業自体がわかりづらいという課題もあった。防ぐため、「ZENGO」をリリースするのと同時に「ZENGOカメラ」(アプリ)の提供も開始。「ZENGOカメラ」を使うと作業前に撮影した写真を透かすことで、同一のアングルでの作業後撮影をサポートする。作業内容を記入して、「ZENGO」内でPDF写真報告書を作成できる。それをクラウド上にアップロードすることで事務所の管理者などとも共有することが可能だ。これまで報告書を作成するためだけに多くの時間を要していたが、これを削減・効率化する。
 今年11月には法人向けの管理機能や報告書のカスタマイズを行える機能の拡充を予定している。現場の作業の一元管理ができるようにするとともに、発注元の報告書フォーマットに合わせて作成することができるようになる予定だ。「ZENGO」を利用することで報告業務のDXを目指す。
 田添氏は「契約プランも1ユーザーにつき2000円(税別)となっていて、無料で、全機能をお試しいただけます。ぜひ、無料で試していただき利便性を実感してから、導入してほしい」と提案する。「ZENGO」をベースとして、リフォーム事業者や不動産管理事業者を対象としたソフトのバージョンアップも進めていきたい考えだ。

PAGE TOPへ