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電縁・INDETAIL共同事業 スマートチェックイン「maneKEY」 進む非対面・非接触コロナ禍で関心高まり

2020.05.18 17:48

 コロナ禍で大打撃を受けたホテル業界。人・モノ・カネの移動が縮小しているが、一方で世界が経済再開への道筋をつけようとしている。国内でも緊急事態宣言が解除されれば、国内ビジネス客を中心に需要がゆっくりと回復していきそうだ。そのなかで非対面・非接触を進める動きが顕著となっている。

スマート化にアクセル 最新技術で価格抑える
 ホテル・宿泊施設での非対面・非接触を進めるうえで注目したいのが「スマートチェックイン」。スマートチェックインは、Webで宿泊予約を受け付け、現地のタブレット端末などで本人確認や宿泊者情報の入力、また署名などの手続きでチェックインを行えるもの。従来はキオスク端末が1台100~200万円のコストがかかる。中小規模の施設での導入は難しい状況だった。
 ここに来て中小施設でも導入しやすい、よりリーズナブルな製品が出てきている。
 5月11日に電縁(東京都品川区)とINDETAIL(札幌市)の2社は共同で宿泊施設向け多言語対応スマートチェックインサービス「maneKEY(マネキー)」を発表。同日より販売を本格化した。両社は2018年6月にブロックチェーン分野での連携を視野に関係性を強化していて、「maneKEY」は共同事業第一弾となる。
 「maneKEY」はタブレット型の機器で、AIを駆使した顔認証技術による本人認証と、従来は人が行っていたカウンター業務をIoTが担うことで、非対面・非接触ながらもスムーズなチェックインが可能となる。またスマートロックと連携してスマートフォンで開錠・施錠できるようにすることも可能で、キーボックスの暗証番号を表示して鍵の受け渡しの無人化を実現することも可能である。多言語対応で日本語のほかに、英語・中国語にも対応した。
 数年前よりスマートチェックインサービスシステムは開発案件が増加。そのなかでの新規参入となったが、どのような特徴があるのか。主なものとして2つある。電縁取締役の石原玲一氏は「これまでのシステムは100~200万円といった初期投資が必要な高額なものであったのに対して、『maneKEY』は従量課金制を採用し導入しやすいプランを用意しました」と話す。価格プランはチェックイン件数が増えるごとに1件あたりの価格が割安となる。チェックインが1~10件なら1件あたり500円、11~50件までが400円、51~100件で300円、そして101件以上になると200円となる。また機器もタブレット型であるため、設置も省スペースで済む。コスト面・スペース面双方で軽い。
 このようなコストを実現したのはシステムにありそうだ。INDETAILゼネラルマネージャーの野村高徳氏は「これまで本人確認システムの裏側ではコールセンターがあり、そこでの人的コストも導入費用に上乗せされてきました。『maneKEY』ではAIによる認証なので、導入費用の低価格化を実現できています」と説明する。認証の精度も実証実験のデータで「90%以上の整合率」(野村氏)。加えて別途費用はかかるが、スマートロックとの連携や支払い端末の導入も支援する。
 当面は設置などで両社の対応が可能な東京近郊と札幌市近郊のホテル・民泊施設が対象となる。導入先のクライアントの声も聞きながらバージョンアップと、年間チェックイン回数12万回を目標に導入施設数を増やす構えだ。
 一方で長期的にはホテル・民泊施設以外への展開も検討している。非対面・非接触を実現するシステムの需要は高い。石原氏は「直近のニーズとしてはコロナ禍のリスク回避であり、対面を避けるという傾向はホテル・民泊施設限らず各業界で共通しています。飲食店では注文ができるタブレットを導入する動きが加速していますし、建設現場ではリモートで重機を操作するといったことも始まっています」と解説する。「maneKEY」も応用は十分に効きそうだ。野村氏は「軌道に乗っていけばスポーツジムやレンタルスペースなどのような施設向けの展開もありえます」と意欲を示す。
 加えて展開エリアにも注目したい。石原氏は「現地の事業パートナー経由でタイのホテルから導入について相談がありました」と明かす。現地の法律対応などのハードルもあるため、現在は調査を進めている段階。「まずは国内が先決」とするも、将来的には期待できそうだ。野村氏も「国内の宿泊施設への展開をまずは頑張りたい」と前置きをした上で、「EU一般データ保護規則(GDPR)にも準拠していますので、この点では将来的な海外展開も見据えていきたい」と付け加える。
 また両社はブロックチェーン技術の活用を得意としていることから、予約記録をブロックチェーンで管理していくことも検討している。石原氏は「シナジーの高い周辺サービスを開発するなど、メニューの多様化も進めていきます」と話した。
不動産業務でも遠隔化の流れ
 このような非対面・非接触、遠隔化の流れは拡大していきそうだ。
 イタンジ(東京都港区)が展開する不動産関連Web申し込み受付システム「申し込み受付くん」は電子申込数が昨年4月から今年3月までで12万件を突破。今年2月には2万7000件弱にものぼった。テレワークや非対面のニーズの高まりを示している。
 政府が発表した「新しい生活様式」でも「働き方の新しいスタイル」として「テレワークやローテーション勤務」、「会議はオンライン」、「名刺交換はオンライン」等が推奨されている。状況に応じた対面とオンラインの使い分けが求められる。


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