週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

ユニファイドコミュニケーションズ 「トイレあいててよかった」を展開

2019.06.24 12:07

ビル・商業施設のトイレ行列を解消
 不動産物件のIoT化はテナントや入居者の利便性・満足度向上に欠かせない。一方でIoT機器の利用や運用が煩雑で、敬遠されているケースも多い。「トイレあいててよかった」は誰もが取付・運用が容易にできることを可能にした。
 通信機器のシステム開発・ソリューション事業を行っているユニファイドコミュニケーションズ(東京都港区)は6月、IoT製品「トイレあいててよかった」の発売を開始した。大手ECサイトなどで販売を行う。年内で5000セットの販売を目指す。
 事業開発部シニア・マネージャーの本多章郎氏は「当社は法人向けに通信システムの開発などを行っていますが、数年前から新規事業の開発・育成に取り組んでいます。今回のIoT製品の初展開もその一環です」と話す。
 「トイレあいててよかった」は扉開閉センサーで個室トイレの扉の開閉状態により使用中か空室かを検知する。その情報をインターネットを通して、情報を更新。オフィスであれば各人のパソコンやスマートフォンなどで確認することができる。商業施設であればデジタルサイネージに表示もできる。
 トイレの空室確認のIoT製品は多くの企業で展開している。後発なだけに他社製品との「差別化=特長」が求められる。本多氏は「誰でも取り付けられる簡易さです」と強調した。
 これまでのトイレのIoT製品は取り付け工事が必要なものが大半。取り付け工事を行うためには事前に現場の確認も必要となる。「手間がかかる」ものだった。
 「トイレあいててよかった」ではセンサーをドアの開閉部分に取り付ける際、両面テープで取り付けることができる。「製品が軽いので、金具などで取り付ける必要はありません」。センサーの開閉情報をインターネットに更新するためのゲートウェイも電源さえあればコンセントを差し込むだけ。あとはインターネットなどでIDを入力すれば確認がOK。「この簡易さがECサイトでも販売できるポイントです」と言う。
 同社では製品の販売先としてはビルや商業施設、店舗などを狙う。「QRコードを読み込むことで空室情報を確認することも可能です。オフィスなどでトイレの空きがわかるようになれば、業務の効率化にもつながるし、トイレの混雑の緩和もできます。加えて、管理側はトイレの利用状況のログをとれることで清掃などの運用面の改善に生かすことも可能です」。
 今後もIoT製品の開発を加速させていく。年内に会議室用の有人・無人や、室温調整の機器を展開していく構えだ。ビルのIoT化が一段と加速しそうだ。

PAGE TOPへ