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光と空気を同時に搬送可能な新型ダクト 防爆区域に低コストで照明と空調を

2019.03.04 17:21

 大成建設(東京都新宿区)と東洋鋼鈑(東京都千代田区)は共同で、製造施設内などの防爆区域での照明、空調について、防爆区域の外に設置した汎用的な照明・空調設備を利用して、対象区域に光と空気を同時に搬送する新型ダクト「T-Light Duct Air」を開発した。
 爆発や火災の恐れがある可燃性ガス・蒸気、薬品などを取り扱う部屋に照明や空調等の電気設備を設置する場合、これらが点火源となることを防ぐため、防爆仕様とすることが必須。
 しかし、防爆仕様の照明器具や空調設備は導入コストがかかり、また点火源となる恐れのある電気設備は、防爆区域に設置される装置の大きさや保管物の高さに応じて天井の高い位置に設置されることが多く、設備の保守点検のために足場の設置が必要となることから、点検作業などが容易に行えないなどの問題点があった。
 大成建設は東洋鋼鈑と共同で、防爆区域外の他室に設置された汎用的な照明・空調設備を用いて、同一ダクトにより防爆区域に光と空気を同時に搬送することができる新型ダクト「T-Light Duct Air」を開発した。
 ダクトの内面には静電気が蓄積せず、埃が付着しにくい金属性導電素材を用いた鏡面反射仕上げを採用。埃の付着や堆積を防ぐことで、ダクト内を通過する光の減衰を抑制することができる。さらにダクトの空気流入部にフィルターを設置することで埃の進入を防ぐことが可能で、防爆区域に適切な光と温湿度、気流などを調整した空気を搬送することができる。
 施行は従来の空調・換気ダクトと同じ方法で、防爆区域の高天井部に適用する場合、防爆区域外の他室に照明及び空調機を設置することで保守点検時の作業を安全かつ容易に行うことができる。
   照明に関しては自然採光を取り入れた光ダクトとしても利用可能で、省エネ効果が期待できる。また、空調ではダクトの防火区画貫通部に防火ダンパを設置することで、万一の火災時にダクト内への炎の侵入を防ぐことができる。

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