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<オフィス市況>三幸エステート 5月度オフィスマーケット発表

2017.06.12 17:38

 三幸エステート(東京都中央区)は8日、2017年5月度の東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)および全国6大都市(東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡)の大規模ビル(基準階貸室面積200坪以上)のマーケットデータをまとめた「オフィスマーケット2017年6月号」を発表した。
 東京都心5区の空室率は前月比マイナス0・06ポイントとなり、2016年12月以来で再び2・5%を下回った。新築ビルを中心にテナント誘致が進み、空室率は僅かに低下。今年は新規供給が比較的低水準なため、空室率の低下傾向が当面継続する可能性もあるという。一方、賃料(共益費込)は坪単価2万7000円前後の水準が5カ月連続し、市況は安定した動きを続けている。
 ただ、オフィス需要は拡大傾向で、空室率も低水準だが、企業の賃料負担力が高まっている実感は乏しく、賃料の上値が重い背景となっている。築年数の経過したビルでは賃料引き下げの動きも見られる一方、新たに募集を開始する建築中のビルは相対的に高めの賃料を設定。両者のバランスも小幅な賃料推移の背景にある。また区別の賃料には二極化の兆しが現れているという。上昇傾向の続いた都心5区だが、今年に入って中央区、港区、新宿区は坪2万5000円前後で横ばい。千代田区、渋谷区は上昇傾向が続き、その差は徐々に開きつつある。6大都市の大規模ビルの5月末時点での空室率は東京23区が2・5%、札幌市1・5%、仙台市6・4%、名古屋市4・0%、大阪市2・7%、福岡市1・6%。賃料(共益費込)は東京・丸の内が坪4万709円、札幌・南口が坪1万3754円、仙台・駅前本町が坪1万4892円、名古屋・名駅が坪1万7850円、大阪・梅田、堂島、中之島が坪1万9696円、福岡・天神が坪1万6016円。

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