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JLL 世界主要都市の賃料サイクルを調査 東京Aグレード4四半期連続「賃料上昇の減速」

2017.05.01 14:27

東京Aグレード4四半期連続「賃料上昇の減速」
 総合不動産サービス大手のJLL(米国シカゴ)は25日、世界主要都市のオフィス賃料動向を示す独自の分析ツール「オフィス プロパティ クロック(不動産時計)2017年第1四半期」を発表した。 
 世界の主要都市の賃料動向を時計に見立てて「見える化」したJLL独自の市場分析ツールとして四半期ごとに発表している。賃料が概ね(1)賃料下落の加速、(2)賃料下落の減速(→底入れ)、(3)賃料上昇の加速、(4)賃料上昇の減速(→頭打ち)というサイクルで変動することを前提とし、現在の賃料がそのサイクルのどこに位置するかを表示することで、世界主要都市の賃料サイクルを示している。
 東京Aグレードオフィス賃料は2016年第1四半期から4四半期連続で「賃料上昇の減速」フェーズを維持した。引き続き賃料は緩やかに上昇していく見通しだという。またEU離脱を発表したロンドンは2016年第4四半期に賃料下落率のピークを迎えたが、今期は「賃料下落の減速」フェーズに入った。JLLリサーチ事業部長の赤城威志氏は「東京Aグレードオフィス賃料は上昇傾向を維持しています。2016年第4四半期のGDPは年率1・2%の成長となりました。2016年は久しぶりに全4四半期でプラス成長を記録することとなり、直近では企業の設備投資が伸びる内容となっています。賃貸市場においても企業活動活発化の兆候が見られており、懸念されていた2018年の大量供給についても徐々に予約契約が成立する状況となっています。これは、過去数年間、低空室率にあっても賃料上昇が緩慢であった時代に積み上がっていた潜在的需要が新規供給により徐々に顕在化してきている表れと考えられます。JLLでは2017年を通じて緩やかな賃料上昇を呈するものと見込んでいます。一方、BREXIT(EU離脱)国民投票後、賃料下落フェーズへ突入していたロンドンは、賃料下落率のピークである3時を超え『賃料下落の減速』フェーズに入りました。直近発表された 6月の解散総選挙並びに今後控えるヨーロッパ各国における選挙・政治動向がどう影響していくのか注目されます」としている。
 なお東京Aグレードビルとは、都心5区にある延床面積3万㎡以上、基準階面積1000㎡以上、地上20階以上、1990年以降に竣工した新耐震基準適合物件。

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