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大成/ブルーイノベーション/東日本電信電話

2017.03.27 16:41

屋内ドローンを利用した社員健康管理サービス「T-FRIEND」を提供へ
~DRONE×HEALTH×SECURITY~ドローンを活用した働き方改革を提言へ
 総合ビルメンテナンスを展開する大成(名古屋市中区)、ドローン・インテグレーターであるブルーイノベーション(東京都千代田区)、東日本電信電話(東京都新宿区、以下NTT東日本)千葉事業部の3社は23日、各企業で課題となっている社員の残業に対しドローン(自律型の無人航空機)を活用して抑制を図り、オフィスワーカーがワークライフバランスを意識して健康的に働くことを後押しする「T―FREND」サービスを提供するため提携することで基本合意したと発表した。今後、オフィス空間の飛行検証を通じて信頼性および性能の向上を図り、今年10月に商用サービスの提供を行う予定となっている。
 記者会見には大成取締役経営企画本部長の加藤憲博氏、ブルーイノベーション代表取締役社長の熊田貴之氏、NTT東日本千葉事業部コラボレーション推進部長の大村健太郎氏が出席。今回のサービスはドローンを活用して、監視カメラ等の映像を主軸にしてオフィスワーカーの残業の抑制を図るとともに、夜間のオフィス内のセキュリティ向上の2つがポイント。会見冒頭、加藤氏も「近年、働き方改革が求められているなかで、職場環境の整備は企業が取り組むべき大きな課題となっている。それと並行してオフィス内のセキュリティの高度化も引き続き取り組んでいる現状がある」と企業側の課題を指摘。一方、ビルメンテナンス業界についても「就労人口減少の問題に直面していて、労働集約型からの脱却が喫緊の課題となっている」と話す。今回のサービスはこの2つのニーズに最新技術を活用することで応え、ビルメンテナンス事業者として新しい付加価値を提供するものとなっている。サービス名称である「T―FREND」にも社員の健康増進を意味する「FITNESS」と働き方改革を込めて「RENOVATION」、「そして」の意味がある「AND」から「N」を取り出し、社員と企業を守る「DEFENCE」の頭文字をつけた。
 この「T―FREND」のサービスはオフィスフロアを自動で巡回するドローンにより残業抑制を可能にする全自動飛行監視サービス。併せて夜間時の不審者監視・警備も可能とする。企業側のメリットとしては、社員の残業時間の管理を行いやすくし健康増進を図る。
 従来ドローンはGPSによる位置情報の取得とパイロットによる手動飛行が一般的だったが、今回のサービスで使用されるドローンではブルーイノベーションが開発したGPSを使用しないナビゲーションシステムを搭載。これにより昼夜間における全自動飛行が可能となった。
 またオフィス内を巡回し撮影するため、社員の個人情報や企業の機密情報などへの配慮も欠かせない。この点をNTT東日本が提供するサポート付き簡単オフィスWi―Fi「ギガらくWi―Fi」やフレッツ・VPN、クラウドゲートウェイ等のサービスを組み合わせることで、インターネット回線を使わないクラウドとの閉域ダイレクト接続を可能としている。これにより秘匿性の高い大量の映像データ等を高速かつ安全に利用できる通信環境を構築することができる。
 商用サービスの提供は今年10月からの予定で、それまでの間に更なる実証実験を積み重ねていく。時代の変化によって生じた昨今のニーズに応えるビルメンテナンス業界初の試みの展開に大きな期待と注目が集まる。

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