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東京建物 福岡市で「減築」活用した再開発
2017.03.27 16:47
東京建物(東京都中央区)は21日、福岡市早良区の西新エルモールプラリバ跡地において既存建物である商業施設を減築し高層住宅を増築する「(仮称)西新プロジェクト」について総合設計制度の手続きを開始したと発表した。
既存建物の老朽化に伴い平成27年7月に「西新エルモールプラリバ」の営業を終了し、これまで建替え計画について検討を進めてきたが、地域住民の生活動線として計画地内にある市営地下鉄空港線「西新」駅から地上への通路・階段を維持するため、既存の商業施設を8階建て(約2万9400㎡)から4階建て(約1万㎡)の商業施設へ減築・改修したうえ、同敷地内に新たな高層住宅を増築する手法を採用。新たな商業施設は総合設計制度の活用による公開空地を充実させ、駅周辺の歩行者ネットワークの整備やバス待ちスペースを整備することで交通結節機能を強化。加えて、屋上に緑化広場を新設することにより地域の憩いのスペースの創出を図る。
また、同プロジェクト計画地は「西新」駅直結であり、今般、福岡市交通局の協力を得て、新たに2カ所エレベーターを設置することで「西新」駅のバリアフリー動線の更なる拡充を予定している。同社によると「既存躯体を再活用する減築の手法は他地区において先行事例はあるものの、同敷地内に共同住宅を増築するプロジェクトは例がなく、時代の変遷による施設の老朽化や商圏の変化への対応、人口減少によるコンパクトシティ化の進行など今後の再開発の手法としてモデルケースとなることを期待している」としている。