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清水建設 建物付帯型の水素エネルギー利用しステムの開発に着手

2016.03.07 12:48

水素社会の早期実現に向けて産業技術総合研究所との共同開発スタート
 清水建設(東京都中央区)は先月29日、産業技術総合研究所(東京都千代田区)との共同研究として施設内で使用する太陽光などの再生可能エネルギーの余剰電力を水素に代替して貯蔵し、必要に応じて放出・発電する水素エネルギー利用システムの研究開発に着手した。
 約2億5000万円を投じて、今秋までに産業技術総合研究所の福島再生可能エネルギー研究所内に実証システムを構築。平成30年3月まで実証運転を行い、その後、実証運転で得た各種データをフィードバックしてスマートBEMS制御の水素エネルギー利用システムを完成させ、平成32年までに建物、街区への導入を目指す。
 水素エネルギー利用システムとは、余剰電力で水を電気分解して水素を製造、水素吸蔵合金により水素を貯蔵、必要に応じて、水素を放出させて酸素との化学反応により電気と熱を取り出すもの。水素貯蔵については産業技術総合研究所が知見を蓄積してきた水素吸蔵合金をベースに合金材料や配合比の最適化を図り、最大で体積の1000倍の水素を吸蔵するという合金の特性を生かし、コンパクトかつ安全な貯蔵手段を確立する。そのうえで清水建設が開発したスマートBEMSにより、再生可能エネルギーの発電状況と建物の電力・熱需要を勘案して、水素の製造、貯蔵、放出等を制御する技術の確立を目指す。

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