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大林組/MASUDA 漏水を遮断する2液混合型注入止水工法を開発

2015.12.28 11:53

 大林組(東京都港区)は、MASUDA(鳥取県倉吉市)と共同で、コンクリートのひび割れ部からの漏水をポリウレタン樹脂と特殊水性エマルション(微粒子化した水に不溶の液滴が水中に分散した状態の液体)を併用して確実に遮断する2液混合型注入止水工法「ミクストグラウト」を開発した。
 近年、リニューアル工事の増加や工期短縮の観点から地下構造物を再利用するニーズが高まっているが、地下水位の上昇などが原因で、地下のコンクリート構造物から漏水していることがある。これまでは、漏水しているコンクリートのひび割れ部にポリウレタン樹脂系の薬液を注入する止水工法が一般的だったが、渇水期の乾燥したひび割れにおいては薬液が硬化不良を起こしやすく、硬化しても収縮することから、適用条件止水性能の向上が課題となっていた。
 今回、大林組が開発した「ミクストグラウト」はポリウレタン樹脂と特殊水性エマルションの薬液を注入直前に混合する、2液混合型注入止水工法。ポリウレタン樹脂が特殊水性エマルションの寸法安定性を兼ね備えている。
 「ミクストグラウト」の主な特長として、同工法は止水材が持つ速硬性と自硬性により、ひび割れ部の漏水量や乾湿状態に関係なく施工が可能。また、優れた寸法安定性と伸縮性を実現。漏水の水圧に対しても耐性がある。
 大林組は、地下コンクリート構造物を再利用する工事や既存インフラの改修など、様々なリニューアル工事に同工法を適用し、建物やインフラの長寿命化を図ることで環境に配慮するとともに、安全・安心を提供する。

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