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竹中工務店 電力デマンドを最適に制御 多様な料金メニューに対応

2015.10.05 16:16

 竹中工務店(東京都江東区)は電力システム改革後に想定されている多様な料金メニューに対応して電力デマンドを最適に制御することができる新しいエネルギーマネジメントシステム「I.SEM(アイセム)」を開発し、関連会社であるTAKイーヴァック(東京都江東区)の「新砂本社ビル」に初導入した。
 「I.SEM」は建物の負荷予測を行い熱源や空調機器などの運転を最適に計画し、計画通りの電力デマンドを達成する最先端のスマートなエネルギーマネジメントシステムである。マネジメント機能を同社が開発したクラウド活用の情報プラットホーム上に構築することで高速処理が可能になったことや、初めてパーソナル対応のデマンドレスポンスを付加予測に加味したことで最先端のリアルタイム制御を実現している。これにより、予測から運転までを一貫して高精度・高効率で行うことが可能となり、計画通りの電力デマンドを達成することで多様な料金メニューに対応する。
 竹中工務店が提案する「I.SEM」は、パーソナル対応デマンドレスポンスを加味した「負荷予測システム」、複雑な熱源やEVを考慮して電力調達を計画する「最適運転計画システム」、太陽光発電や発電機など多様な電源を最適にコントロールして空調や照明と統合して電力デマンドを制御する「リアルタイム制御システム」、停電時には多様な電源を活用して自立運転を行う「MSEG」といった4つの特長を有している。「I.SEM」を導入することにより、電力単価の高い時間の購入抑制、割安な電力メニューへの対応、事前に想定した売電計画通りのデマンド調整等を実現し、電力自由化後に想定される多様な料金体系への対応を可能にするというメリットがある。これにより電力コストを低減する。また、停電時には太陽光発電や発電機の電力を建物に供給することが可能であり、BCP・LCP対策としても有用である。
 これまでも個別の予測システムや制御システムは存在したが、各種の個別システムをクラウド上に構築してトータルに制御するマネジメントシステムの実用化は初めてである。同社は今後、「I.SEM」を初導入した「TAK新砂ビル」での実証データの蓄積を行い、さらにシステムの充実を図るとともに、オフィスビルを始め集合住宅や学校、大型ショッピングセンター、駅ビルなどのエネルギーマネジメントとBCPニーズの高い建物に提案をしていくとしている。

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