週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

鹿島建設 ドローンによる写真測量を実現

2015.10.05 16:21

高精度な3次元図面を短時間で作成するシステムを開発
 鹿島建設(東京都港区)は、3次元図面製作等を手がけるリカノス(山形県山形市)と共同で、ドローンによる写真測量を利用して高精度な3次元図面を短時間で作成し、土量管理、工事の進捗管理に利用するシステムを開発した。同システムは、空撮からデータ処理までの一連の作業において、ドローンやカメラ等の機器の選定、作業方法や使用ソフトの最適化を図ることで高精度な空撮測量を実現する。
 同システムを大規模造成工事に適用したところ、誤差±6cm以下まで精度を向上でき、測定時間や費用を大幅に削減できることを確認した。
 大規模造成工事現場での切盛土工事では、工事の進捗管理のために現地形の測量を行い、土量の算出を行うことが不可欠。従来、光波測量器による地上測量が一般的だったが、広大な造成工事現場では、測量・図面化・計算の一連の作業に膨大な手間と時間を要する課題があった。近年では、高精度に測量が可能で3次元図面を出力できる3Dレーザー測量が普及しているが、高額であり、現地計測作業には時間や設置箇所等の制約を受けている。また、光波測量・3Dレーザー測量ともに大型重機が稼働している中での作業には危険が伴う。一方、近年は簡易に扱えるドローンや搭載するカメラ等の機器選定、使用ソフトの組み合わせや補正プログラムの高度化、作業方法の最適化を図ることで誤差±6cm以下まで精度を高め、土量計算など工事の進捗管理に迅速に利用できるシステムとして完成させた。
 同システムを導入した造成現場では、約2haの範囲の空撮に要する時間は約10分程度で、写真を合成し3次元図面を作成するまでの所要時間は約4~5時間。また、空撮による測量のため、基本的に重機の稼働を止める必要がない。同現場では落下等の万一の事態を考慮して昼休みに撮影を行ったが、昼休み等の時間内で撮影が十分可能であり、工事の進捗を妨げないことも大きな特長の一つといえる。
 実際の造成現場において、同システムと高精度と言われる地上からの3Dレーザー測量との比較を行っている。同システムと3Dレーザー測量で得られた約28万点に及ぶ測定点で比較したところ、90%以上の点が±6cm以下の範囲に収まり、高い相関で一致したことを確認した。これにより大規模造成工事おける土量管理や工事の進捗管理に十分利用可能であることが確認された。
 また、同システムと地上3Dレーザー測量および光波測量で、2haの敷地を対象とした所要時間と概算費用の比較を行った。その結果、同システムによる測量は光波測量、地上3Dレーザー測量と比較して、所用時間、測定にかかる人数を大幅に削減でき、費用についても光波測量の5分の1以下なることがわかった。
 今後の展開として、同システムは、これまでの測量方法に比べ劇的に短時間、かつ、安価であるだけでなく、精度面でも従来の写真測量よりも大幅に向上したことが確認できた。また、詳細な3次元地形データを取得できるため、CIMのデータとして活用することも容易。また同現場では、同システムの精度をさらに向上させ、地盤の沈下計測に応用し、情報化施工への適用を進めていく。


全て見る


PAGE TOPへ