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三井不動産 空きビルを使った大規模防災訓練を実施

2015.03.16 10:24

2カ国語対応で外国人ワーカーも多数参加
 三井不動産(東京都中央区)は10日、空きビルを利用したオフィス勤務者向けの防災訓練をマスコミに公開した。オフィス勤務者を対象とした空きビルを活用しての防災訓練は同社初の試み。また日本語・英語の二カ国語で訓練内容を説明するバイリンガル対応にも初めて取り組んだ。 
 訓練の舞台となったのは「日本橋室町センタービル」。三井不動産が計画する「(仮称)日本橋室町三丁目地区市街地再開発計画」に伴い将来的に解体が予定され、すでに空きビル状態。稼働中のビルではなかなかできなかった本格的な防災訓練が行いやすい環境だ。
 今回は3月9、10、11日の3日間、計6回の訓練が実施される。参加者約110名のうち、外国人は約30名が参加。まずは防災スタッフと通訳が日本語・英語で消防・防災設備を解説した後、実際に参加者に粉末消火器の放出訓練を行った。ビルの空きスペースの一角を使い、実際に室内で消火器を放出。一般的には圧縮水が出る訓練用が使われる事が多いが、今回は粉末消火器を使用し、使用後に粉末が飛散する状況まで確認した。続いて行われたのが、エレベーターの閉じ込め体験。エレベーターのカゴ停止位置がずれて停止し、閉じ込められた状態を再現して実際に救出活動を体験。停止中のカゴ内に参加者10名が乗り込んだ。最後に行われたのは火災避難体験。間仕切りが残っている執務空間にスモークマシンで煙を充満させ、火災時の煙の中での避難を体験した。
 イギリス出身の参加者は「自国では大きな地震を体験したことがなく、地震が多い日本の生活では日ごろから不安を感じていましたが、今回の訓練で災害時でも落ち着いて行動できそう」と、安心した口ぶりだった。
 外国人にとっても安心・安全な街づくりを目指す。今後の外国人観光客・外国企業の誘致を積極的に進めていく上でこうした取り組みは今後も継続していくべきだろう。

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