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アゴラ 自動車用バッテリー利用した非常用電源ユニットを開発

2014.06.09 17:34

停電時の灯り確保で入居者の安全確保・防犯に貢献
 大規模地震などの災害が発生した際に求められる電源の確保。近年竣工している大型物件の多くは、非常用発電機を設置してライフラインが遮断するという事態への備えを充実させるとともに、屋上スペースを活用して入居テナントが独自に非常用発電機を設置するというケースもある。東日本大震災発生直後、駆け込みでの購入や供給ラインのストップによってスーパーやコンビニエンスストアなどでは食料品や生活雑貨など、我々にとって身近なアイテムのほとんどが陳列棚から姿を消した。乾電池もその一つで、懐中電灯の使用や携帯電話の充電を目的に多くの人が乾電池を買い求めた。災害備蓄を積極的に取り組みケースは増えているが、有事の際の非常用電源が確保されているのは前述のような大型施設に限られており、中小ビルなどではコストや設置場所の問題などから独自に非常用発電機を設置することは困難だ。
 こうした課題に対し、中小企業の経営コンサルティングをはじめ防災グッズやLED照明など様々なアイテムの販売を行っているアゴラ(東京都北区)では、自動車用のバッテリーを利用して電気を供給する非常用電源ユニット「つなぐプラス」の販売を開始した。この「つなぐプラス」は、LED照明メーカーであるサンエスオプテック(東京都中央区)との共同開発によるもの。製品は蓋を持ち上げ、内部のスペースに自動車用のバッテリーを置き、蓋を下ろすだけで、非常用電源として使用が可能になる。また、LED照明も標準仕様で装備されているため、災害などによる停電時にはバッテリーの電気を使用して照明として使用することも可能だ。アゴラの柏木太郎営業部長によれば、医療施設や教育施設、介護・福祉施設などでの「つなぐプラス」の普及を目指しているとのことで、民間のオフィスビルや商業ビルなどでも、停電時における建物利用者の安全確保や電源確保といった面において同製品は有効に活用することができるという。
 「『つなぐプラス』の最大の特長は、コンパクトな形状で重量は10kg程度(バッテリーを除く)と、持ち運びが可能だという点です。このためオフィスビルなどの施設では電源ユニットそのものを持ち運んで、様々な場所で非常用電源や照明として機能することができます。また、大規模災害などによる電源喪失時に灯りがあれば、オフィスビルや商業ビルでは防犯効果という面も期待されます。製品の定価は35万円(税別)となっており、現在は販売代理店の募集も行っていますので、今後も『つなぐプラス』の普及に注力していきたいと思います」(アゴラ 営業部長 柏木 太郎氏)

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