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不動産相談協会 保有、活用、取引に関する横断的な知識を学ぶ初の不動産知識検定試験が11月24日に開催

2013.07.01 16:29

 不動産に関わる専門家が集結し、不動産関連の悩みや問題に対して、同時に複数の士業で応対するいわゆるワンストップ型で無料相談を実施している不動産相談協会(東京都新宿区)では、不動産の保有、活用、取引に関する知識を学ぶ「第1回不動産知識検定試験」を本年度から開催すると発表した。同協会の代表理事である杉山善昭氏は、検定試験の実施理由について次のように話す。
 「例えば宅建主任者は宅建業法に関わる質問には対応できますが、税務や法務に関する相談には、その地域の税理士会や弁護士会などを紹介する方法しか手がなく、必ずしも士業関係者で連携が取れているとは言えず、相談者に二度手間を掛けるなど不便、非効率をもたらしてきました。
そのため、サービスを提供する側も不動産に関する横断的知識がなければ的確な士業間の連携したアドバイスが出来ないことが多かったように見受けられます。さらに不動産を保有するオーナー側、不動産取引の当事者になる一般消費者にとっても自身が抱える問題に対して、しかるべき専門家に聞けばいいのか的確にわかることが問題解決の第一歩だと思います。検定試験は、サービスを提供する側だけでなく、それらのオーナー側及び一般消費者にとっても不動産全般の知識を身に付けて頂くことを目的にしています」
 例えば、税理士や司法書士に相続を依頼するケースが多いが、司法書士だけに頼むと相続税の優遇が適用できるケースがあるにも関わらず、依頼どおりの登記をしてしまい、後になって後悔するオーナーが多い。こうした不動産関連の問題で起こりえる事態に対して正しく対処できる人材の育成を、検定を通じて行うのが同協会の目的ともいえる。
 試験問題は、同協会を運営する弁護士、税理士、建築士、司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、宅建主任者、不動産コンサルタントが専門家としての知識や実際にあった実務の経験を踏まえ、現在作成中だ。試験内容は50問で四肢択一式。不動産に関する法律、登記、税務、鑑定、建築、測量、訴訟等の不動産実務に関する幅広い知識が求められるという。
 「幅広い知識やスキルを持つ専門家でなければ、複雑化している不動産問題に対応できなくなっています。オーナー及び一般消費者側が求めるレベルの最低限の横断的知識や対処法について検定試験を目標に学び、クライアントからの要望を先読みすることができるはずです」(杉山氏)
 開催日時は11月24日。会場は帝京科学大学「千住キャンパス」を予定。試験受付期間は7月1日~8月31日まで。検定試験は、点数により、1級、2級及び3級が付与される。今年の検定試験は東京会場のみで300名の受験者数を見込んでおり、次年度からは東京以外でも開催予定。

●参考例題●
設問1 相続税の申告における土地の評価について最も不適当なものはどれか。

1 路線価を採用した。
2 固定資産税評価証明の価格を採用した。
3 不動産鑑定士の鑑定評価を採用した。
4 適正と思える時価を計算し、採用した。
                    (正解 2)

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