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アートデータ 従来製品の弱点を払拭 防災訓練んも活用できる地震・津波警報装置

2012.09.03 18:06

 毎年9月は「防災月間」に定められているが、東日本大震災以降の防災意識の高まりを受け、世田谷区や足立区の幼稚園、八王子市の一部の小学校では緊急地震速報と緊急警報速報(津波・河川氾濫情報など)を自動受信し、周囲に音声で知らせる室内用防災機器「からくり地震時計」の導入を推進。見た目はインテリア風の「時計」そのもののイメージ製品。開発メーカーであるアートデータ(東京都世田谷区)の代表取締役社長を務める小林明夫氏は同製品の特徴をこう話す。
 「地震速報や津波警報を事前に警報するだけでなく、災害発生後の被害情報として地域別FM波を受信し、大音量で周囲に告知します。交通機関の運行状況等も放送され、正確な情報を元に避難することが可能です」
 地震警報装置は他社も展開しているが、通信方法にインターネットを活用するものは、ランニングコストが高額となり、簡単に導入することができなかった。しかし、同製品は据え置き式の電波受信型のため、ランニングコストは毎月の待機電力のみ。さらに、同製品には音声発生ボタンが装備されているので、防災訓練にも活用できる。
 「ビル等では非常用放送設備に接続して用いることで、当製品1台で建物全体に情報を届けることが可能です。また、停電時には内部電源で最低24時間は稼働する他、外部制御端子を利用すれば自動ドアや照明を制御し、避難通路の確保等に役立ちます」(小林氏)
 地震速報と津波警報を受信でき、なおかつ外気温度・湿度を表示する大型デジタル時計タイプや、広大な場所に設置しても目に付く大型アナログタイプ、津波の危険性の少ない場所に設置する地震速報のみを受信する簡易タイプの3種類があり、設置環境に合わせて使い分けることができる。情報を一方的に受信するだけでなく、津波情報、制御端子、訓練ボタンを装備して、幅広い使い方を可能にしている。

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