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ヒューリック 住宅・建築物省CO2先導事業に採択

2011.01.17 16:32

 ヒューリック(東京都中央区)は、平成22年度第1回省CO2先導事業として「(仮称)大伝馬プロジェクト」が採択されているが、今般、「(仮称)雷門プロジェクト」においても同年度第2回省CO2先導事業として採択を受けたことを発表した。
 今回、「(仮称)雷門プロジェクト」が採択された「住宅・建築物省CO2先導事業」は、住宅・建築物における省CO2対策を強力に推進しその市場価値を高めるとともに、居住・生活環境向上を図るため、国土交通省が省CO2の実現性に優れたリーディングプロジェクトを募り、優れた提案に対して費用を補助し、支援する制度となっている。同制度において、同一の企業が同年度に重ねて先導事業として採択を受ける例は少なく、「(仮称)雷門プロジェクト」の先進的かつユニークな環境技術が特に高い評価を受けている。
 今回評価された点として、太陽熱利用空調と潜熱蓄熱材を組み合わせた空調システムが挙げられる。「(仮称)雷門プロジェクト」の用途はホテルが予定されているが、通常ホテルは昼間は人が少なく、チェックイン後の夕方から夜にかけて空調の負荷が大きくなるという特徴がある。他方、太陽熱を利用できるのは日中に限られており、この時間的なずれを解消しなければ太陽熱を効率的に使用することは難しい。そこで、同社は昼間に太陽熱集熱パネルによって集めた太陽熱から冷熱を製造、客室廊下床下の潜熱蓄熱材に蓄えておき、夕方以降のピーク時にその冷熱を放熱する。これにより効率的な空調運用が可能となり、大幅な消費エネルギー削減を実現することができる。さらに、給湯設備に高効率な小型のコジェネの廃熱利用システムを導入も予定されており、年間でCO2排出量を31・2%削減することが可能としている。

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