週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
ヒューリック 両国に環境配慮型オフィスビル竣工
2010.02.08 17:18
ヒューリック(東京都中央区)は、同社所有物件である「本所富士ビルディング」の老朽化に伴い建替事業を進めていたが、新たに「ヒューリック両国ビル」として竣工した。
同ビルは、京葉道路と清澄通の交差点に面しており、JR総務線「両国」駅と地下鉄大江戸線「両国」駅の2路線が利用可能な土地で、地上9階地下1階、延床面積約7400㎡、基準階貸室面積約550㎡の最新鋭オフィスビルである。制振部材をバランスよく配置することで大地震時における建物被害を最小限に抑える制震構造を採用した。基準階貸室の天井高は2・8mとし、南面には床から天井まであるサッシを採用することで十分な自然採光と優れた眺望が確保され、開放的なオフィス空間を提供する。
また、テナントレイアウト上の機能面にも配慮し、小部屋対応や什器設置が行いやすい3・6mモデュール平面の無柱空間となっている。
両国は本所奉公の管轄のもと武家屋敷が広がっていた地域であり、同ビルではその文化を伝承し、格式高い和の香りを持った端正なデザインとしている。和を感じる瓦の艶(銀ねず)をイメージしたタイルや、武家屋敷をイメージした縦連窓とガラスリブサッシによる外装は、地域の新たな顔として個性を際立たせている。
また、同ビルでは特に雨水の再利用に着目しており、ビルの屋根上面には年間約1000tの降雨量が想定され、これをトイレの洗浄水や植栽帯への散水の一部へ供給する。
これによるCO2排出量削減効果は、机上の計算であるが約1100㎡の森林(杉の木換算で約28本分)が1年間に吸収する量に相当する。この他にも、屋上緑化や昼光センサー照度補正付省エネ照明の採用等により、環境への配慮を行っている。