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スタンダード&プアーズ 日本の不動産業界リポート発表大手不動産会社の信用力は当面安定

2008.04.28 11:39

 スタンダード&プアーズは日本の不動産業界に関するリポートを発表した。このリポートによると、日本国内の不動産市場では、不動産価格やマンション販売状況、資金調達環境などに対する先行き見通しに不透明感が増している。しかし、スタンダード&プアーズが格付けを付与している大手総合不動産会社3社(三菱地所、三井不動産、住友不動産)は、多数保有する優良賃貸資産からの高水準の賃料収入などを背景に強い事業基盤を有しており、信用力は当面安定して推移すると考えられる。各社とも事業モデルが複雑化する中にあって、リスク管理能力を向上させていること、また資産の質が改善し、キャッシュフローの安定性も高まっていることから、外部環境が悪化しても収益基盤が大きく毀損する可能性は低いとみている。一方で不動産会社の信用力分析においては、事業モデルの変化がこのところの注目要素である。事業環境の急激な変化によってここ数年、賃貸資産を自社で開発し保有するといった従来型の事業展開から、案件ごとに最適なリターンを得られる事業モデルに変化させている。事業モデルの変化に伴って生じるリスク要因を正確に把握して各社のリスク管理能力を精査し、信用力に反映していくことがより重要になっている。

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