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<オフィスの形>コクヨ編 社員間の会話促す空間を構築 IT環境整えてセキュリティ強化

2005.12.12 10:48

 リニューアルオープンしたコクヨの「霞が関ライブオフィス」は、企業戦略の観点から「あるべきワークスタイル」を実現できるように、空間の最適化を図ったものである。今回、オフィスに求めたのはフェイストゥーフェイスでしかできないタイプのコミュニケーションの質を高めることだという。
 コクヨ(大阪府大阪市)の子会社であるコクヨオフィスシステム(東京都千代田区)は、オフィス兼ショールーム「霞ヶ関ライブオフィス」をリニューアルし、12月8日オープンした。
 同社は、2年前より働き方に合わせて家具を動かして空間を自由に構成できるようにしてきた。今回のリニューアルは、これまでの考え方をさらに進化させ、より課題解決型のワークスタイルを特化することが目的である。
 例えば、オフィスの中央に設置したコラボレイティブサロン「FLAT(ふらっと)」は、オープンスペースでプロセスを可視化し、誘引性の高いカフェやライブラリーを設置する。執務エリアとは違った空間デザインを施すことで、個人が保有するナレッジを持ち寄り、新しいアイデアを生み出すことが狙い。「FLAT」内にはコンシェルジュが設置され、事例の検索や提案文書作成支援などだけでなく、共有データベースの構築や活用促進まで幅広く社員をサポートする。
 機密性の保持や作業への集中を支援する個室型のブースを設置して、個人ワークの環境を強化。社内情報の発生から廃棄までの流れを整備して上で、ゾーン毎に最適なセキュリティレベルを設定する「ゾーンセキュリティ」も導入している。
 このほか、社内であればどこに移動しても社内システムが利用できる大規模オール無線LANを整備して、パソコンのセキュリティ対策には万全を期し、オフィス内でのPC利用と、オフィスの入退出管理を1枚のパスカードで個人認証することが可能となっている。そのため、オフィスから退出する時にICカードが必要になり、自然にPCにロックがかかり、離席した時の他人によるパソコンの不正使用を防止している。
 物理的空間においては、オフィス内への出入り口はカードセキュリティ、ビル共用部の防犯カメラによる監視と併せて外部からの侵入対策が講じてある。

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