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フジテック 新エレベーター駆動システム開発 大幅な小型化・軽量化が可能に

2002.05.20 10:54

 エレベーターは、その原理が開発されてから100年以上もたつが、その基本的な仕組みは当初のものから殆ど変化していないという。しかし、ここへ来て、大手昇降機メーカーのフジテックが「新世代エレベータの駆動システム」を開発し、業界内で話題を呼んでいるという。
 昇降機メーカーのフジテック(大阪府茨木市)は、新エレベーター駆動システム「タロン ドライブ方式」を開発した。
 これまで、エレベーターの昇降システムについては駆動シーブに設けられたトラクション溝と呼ばれる特殊なロープ表面の金属面に発生する摩擦力を用いてかごを昇降させる「トラクションシーブ方式」と呼ばれるシステムが100年間に渡り用いられて来た。しかしこのシステムの場合、かご側の重量とおもり側の重量比を一定値以下になる様に設定せねばならない為、かごの軽量化には限界が生じていた。
 一方、今回開発された「タロン ドライブ方式」は、シーブにかかるロープを特殊ベルトで押し付け、このベルトを駆動することにより、かごを昇降させるシステムである。
 これにより、かご側の重量とおもり側の重量の差によって生じるアンバランス量を、ロープへのベルト押し付け力により駆動することになる為に、かごの自重がいくらであっても積載物を上下移動させることが可能になっている。
 この方式を採用することで①駆動装置の軽量化・小型化②かごの軽量化③おもり、レールサイズ、ロープ本数の低減による建築コストの削減④ロープの摩擦が減少する為、寿命が長くなる⑤あらゆる種類の既設エレベーターの駆動装置に対応できる。などのメリットを得ることが出来る。
 同社では、「地球環境に最も優しいエレベータ」として、この「タロン ドライブ方式」を広くPRしてゆく予定だという。

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