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野原産業 「スモークガード」 ビル火災発生時の煙を遮断

2002.04.15 15:42

 野原産業(新宿区)は、ビル火災発生時に発生する煙を遮蔽するエレベーターシャフト用遮煙システム「スモークガード」の製造・販売を開始した。
 日本火災学会の調べによれば、ビル火災における死亡原因の内火によるものが34%であるのに対し、煙によるものが58%を占めており、火災による人的被害を防ぐにはビルの防煙対策を十分に行う必要があるといえる。
 ビル火災の場合、エレベーターシャフトが煙突の役割を果たし、発生した煙を館内全体にいきわたらせてしまうことになる為エレベーターシャフト部分の防煙・遮煙対策が重要なポイントになるといえる。
 今回、発売となったスモークガードは、通常はエレベーターの前面上部の天井内に収納されているが、煙を感知すると、強化ポリミドフィルムが自度的に降下し、エレベーターの扉部分を完全に覆い、フロアからエレベーターシャフト内に煙が侵入するのを防ぐ仕組みだ。
 また、万が一、エレベーター内に取り残された人がいたとしても、エレベーターかご内からの脱出が行いやすい様、フィルムとビル本体の固定についてはマグネット方式を採用している。
 「同様のものとしては遮煙シャッターなどもありますが、それらに比べて設置の工事も簡単で済み、コストパフォーマンスに優れているのが、この『スモークガード』の特徴です。」と同社は語る。 
 同製品は日本に比べ厳しいアメリカの遮煙基準もクリアした国際特許製品で、同社としては、病院や福祉関連施設など、在館者の特性上、避難活動に時間を要する建物を中心に販路を拡げている。

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