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川崎重工業 ビル用空調のノウハウを応用 自動車用フィルタ洗浄開始 トラック・バスを対象に

2001.01.15 17:19

 川崎重工業(神戸市)は、大型のトラック・バス用エンジンの吸気用フィルタやガスタービン吸気用に使用されている円筒型フィルタを洗浄し、再生・再利用を可能とする装置を開発し、関連子会社である川重原動機工事(神戸市)に移管、洗浄事業をスタートさせた。
 これまでこれらのフィルタは、汚れると機関性能に大きく影響することから交換頻度も多く、その交換コストは莫大なものとなるだけでなく、使用済みのフィルタは産業廃棄物として廃棄されるため、環境問題からも大きな社会問題と建っている。
 川崎重工業がこの度開発した洗浄装置は、既に実用化されているビルなどで使用されている空調用中・高性能エアフィルタの超音波洗浄装置を応用したもので一日最大60個の洗浄処理能力を有しており、直径350mm、長さ600mmまでの大きさのフィルタを洗浄することができるという。超音波によって発生するミクロなキャビテーション(空洞)の消滅エネルギーでフィルタに付着した汚れを除去する。洗浄後のフィルタは新品同等にまで回復するという。
 既に、川重原動機工事では日本通運と同装置によるフィルタの洗浄再生を請け負う契約を結んでおり、洗浄事業の拡大に弾みを付ける。
 「厳しいコスト競争に突入している建築業界などは社有車のメンテナンスコストを削減し、経営の効率化を図ることも出来ます。また、企業の環境責任が問われていることから、自社の企業姿勢をアピールする必要もあると思います」(川重原動機工事)

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