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文部省が電力供給について競争入札実施を発表 官公庁では通産省に続き2例目

2001.01.01 10:02

新規参入企業に競り負けた東京電力の巻き返しに注目
 昨年8月通産省が電力の供給元について競争入札を行い、3月に電力小売事業の自由化に伴い新規参入した三菱商事の子会社「ダイヤモンド・パワー」が東京電力をやぶり落札したことが話題を呼んだが、今度は文部省も同様に電力供給について競争入札を行うことになった。
 「現在年間で7000~8000万円の電力コストがかかっていますが、これを少しでも削減するのが狙いです。2月中旬から末ごろにかけて入札告知を行い、3月末に入札・6月1日より落札企業からの供給を受ける予定でいます」(文部省)
 通産省の入札においては「既存電力会社より安い」ことを標榜するダイヤモンド・パワーに対し、これまで供給を行っていた東京電力側は「他の供給先とのバランスを考えて」(同社)敢えて従来と同価格を提示、いわば「不戦敗」を選択した経緯がある。
 しかし、その後NKK本社ビル、日産自動車本社ビルなど大口供給先を次々とダイヤモンド・パワーに奪われ東京電力は年間数億円の減収となっているだけに東京電力側としてもここらで「東電離れ」歯止めをかけたいところと思われる。
 文部省側の方も「通産省のケースでは約4%の電力コストカットにつながった様ですが、同じくらいの効果は期待したいと思います」をコメントしており、東京電力側があくまで従来の供給元とのバランスを考え同じ値を入れるのか、それとも、大口ビルの東京電力離れを防ぐ為に値下げを打ち出すのかその動向に注目が集まるところだ。




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