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ニッセイ基礎研究所 東京・大阪の市場動向レポートまとまる 中長期的に回復するも東京で4~5%空室残る
1996.04.15 11:51
ニッセイ基礎研究所 都市開発部は「東京・大阪のオフィス市場動向」をまとめた。
この中で短期的にオフィス市場は景気動向に左右され、趨勢として景気回復がゆるやかに進めば96年から97年にかけて空室率は低下傾向を強め、賃料も下げ止まり安定する。しかし景気回復が思わしくなければ空室率はあまり低下せず、賃料は一部で引き上げが進むため、全体として下げ止まりを確認できない悲観的なシナリオも想定されるとしている。また同時に、景気回復が進んでも、オフィスは依然として供給過剰で、借り手の選別も進むことから地域やビルの二極化はそれほど解消しないとの見方も示している。
98年から2000年前後を見据えた中長期見通しでは、景気の動向次第でオフィス需要は左右されるものの、東京、大阪とも供給が全体的に抑制されているため需給はバランスに向かうとしている。しかし今後、企業の情報化投資やオフィスの生産性向上への取り組みの本格化がオフィス人口の抑制圧力となることなどから、空室率は低下するものの2001年にかけては東京で4~5%、大阪で2~3%程度の空室は残り、また賃料についても上昇に転じるものの企業の成長鈍化、コスト意識の高まりで、バブル時のような高額賃料の再現はないとしている。