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ヤシマ工業 米国からレトロフィットの権威来日 耐震性向上改修セミナーに250名
1996.03.01 15:04
耐震法施行で、ビルオーナーの間でも耐震に対する問題意識が高まる中、早くからこの分野で研究、施工実績を重ねているヤシマ工業(東京都杉並区)がセミナーを開いた。同社は4月にもオーナーを招待する同様のセミナーを予定している。
ヤシマ工業では2月28日、中野サンプラザでセミナー「耐震性向上改修(レトロフィット)の米国・日本の取り組みとその実際」を開催した。
米国のレトロフィット技術の権威、ジョセフ・P・コラッソ博士がセミナーのために来日し、ロマプリータ、ノースリッジ地震後の構造設計や現在のレトロフィット設計について講演した他、大手ゼネコン、フジタの胡木清人、鳥居次夫両氏が耐震診断、耐震補強設計、免震建物などについて講演。耐震診断・改修に関する実践的なセミナーとしては初めてといってよいものだけに、会場には多くの自治体、大手ゼネコン、設計、管理会社など250名が集まった。
同社では第2弾として、4月10日に同様のセミナーを行う。会場は東京・千代田区の九段会館。
「今回は意識的に専門家向けの色合いを濃くしたが、次回は旧耐震物件を所有する一般のビルオーナーなどを対象に、診断の中身や料金、改修工法の説明など初歩的な解説を盛り込むつもり」と小里洋行社長は話す。
同社は過去にも「サンフランシスコ湾岸地震視察報告会」、「同復旧状況視察報告会」を開催し、いずれも数百名の出席者を集めている。近年は「耐震性向上改修」(レトロフィット)の展開に特に力を入れ、特定建築物の耐震改修が特に重要になるとの観点から、3月12日より開かれる「国際ホテル・レストランショー」にもブース出展する。