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噂のスクランブル アップル合併劇でオーナー達の泣き笑い どうなる?大型統合移転の行方

1996.02.01 16:16

 経営不振が伝えられるアップルコンピューター。米国本土ではサン・マイクロシステムズへの身売り話が注目されているが、東京のビル市場ではテナントとしての同社の動向にも興味が集まっている。
 現在、東京圏におけるアップル社の主要拠点は竹中工務店の「千駄ヶ谷インテス」、三井不動産などの「ワールドビジネスガーデン」、そして東急不動産の「世田谷ビジネススクエア」(R&D部門のアップルテクノロジーが入居)の3ヶ所。しかし市場では、今年8月、オフィス棟がオープンする「東京オペラシティ」へ統合移転するとの話が有力視されている。日本生命、NTT都市開発などがオーナーの同ビルは、基準階600坪、54階建の巨大ビル。アップル社は入居テナント第1号として、3000坪を占めるとされており、大口テナントとしてビル側の期待もさぞかし大きいことだろう。
 しかし仮にサンマイクロ社との合併交渉がまとまった場合はどうなるか。同社はアップル社の1拠点でもある世田谷ビジネススクエアで12フロアを占める断トツのキーテナント。ビル外壁には同社の社名ロゴまで掲げられている。吸収合併となれば、事の成り行きとして、現アップル社の移転見合わせ、あるいは世田谷ビジネススクエアに集約と言う話になっても不思議ではない。
 関係各ビルオーナーにとって合併の行く末は決して「他人事ではない」のである。




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